動物の眼科 第4回

こんにちは。
泉南動物病院 眼科担当獣医師の伊原です。
今日も当院で使用している眼科用検査機器をご紹介します。

今日紹介する機器は、眼圧計です。
眼の中には眼房水という水が入っており、この水の圧力(眼圧)により眼の硬さや大きさが保たれています。
眼圧計は、この眼球内圧を測定する機器です。
眼圧が上昇する病気として有名なものが、緑内障です
眼圧が低下する病気の代表が、眼内の炎症(ブドウ膜炎)です。

緑内障とは?】
眼房水が溜まりすぎ、眼圧が高くなり過ぎた結果、眼の痛みや視覚障害(失明)を起こす病気です。
柴犬やシーズ、アメリカンコッカ―スパニエル、ボストンテリアなどで起こりやすいと言われています。
緑内障では少しでも早く眼圧の上昇に気付き、治療を開始する必要があります。

当院ではトノベット手持眼圧計という製品を使用しています。


動物の場合、人間のようにじっとしてくれないので、素早く測定しなければいけません。
丸い先端部分が、眼の表面に触れることで、眼圧を測定するのですが、とても軽いタッチで素早く触れます。
そのため、点眼麻酔の必要もなく、動物の負担が少ないのが特徴です。

では実際に使用している写真がこちらです。

この子は眼科特別診察で白内障の定期検診を受けている、シーズーのミニーちゃんです。
ミニーちゃんは検査中じっとしてくれているので、いつも数十秒で測定完了します。

白内障が進行すると、眼の中に炎症(ブドウ膜炎)が起こりやすくなり、緑内障を引き起こすことがあります。
ミニーちゃんも検診のたびに眼圧を測定していましたが、ある時から眼圧が少しずつ上昇しはじめ、緑内障予備軍と言われる段階まで、眼圧が上昇してしまいました。
幸い、眼の痛みや視力障害は起こっていません。
現在は眼圧を抑えるための目薬を開始し、視力を失うことなく、眼圧を維持できています。



当院では、眼科専門病院にお勤めの光本恭子先生による眼科特別診察を実施しています。
眼科特別診察は、当院が初診の患者様でも受けることが出来ますので、まずはお電話でお問い合わせください。
眼科専門外来について

*症状によっては、事前に伊原の診察をお勧めする場合がございます。ご了承ください。

獣医師 伊原