麻酔検査や手術でお預かりした時の流れについて

CT検査や内視鏡検査といった麻酔が必要な検査や、去勢手術や避妊手術をはじめとしたさまざまな外科手術で、動物を病院に預けた経験のある方は多いと思います。
その日、わが子たちが病院でどんな風に過ごしているのか気になりますよね。
先日、以前ブログにも登場したことのある、スタッフの愛猫ソレイユくんが麻酔の検査をしたので、その日のソレイユくんの一日を参考に紹介したいと思います。

まず、麻酔の日は朝ごはんをもらえません(検査の内容によっては絶食時間がもっと長くなる場合もあります)。お腹いっぱいの状態では、麻酔時の嘔吐のリスクが高くなるからです。
腹ペコのまま病院に着くと、主治医からご家族へ検査や手術、麻酔等のお話をしてお預かりします。
ここから、お迎えやご面会までご家族とは離れ離れになります。

お預かり後、まず身体検査をします。
問題がなければ、血液検査のために採血をしたり、必要があれば画像検査を行ったりします。また、点滴を流すための静脈ラインを確保します。

静脈確保している様子

検査や手術は、基本的に午前診察と午後診察の間の時間に行うので、時間まではお部屋で点滴を流しつつ待ちます。

午前の診察が終わり、ソレイユくんの検査の順番が来ました。
麻酔が始まる前に、酸素吸入を行います。管から直接吸ったり、動物用の麻酔マスクを着けたり、酸素吸入の方法はその子に合わせて選択します。

酸素吸入の様子(猫さんはケージ内で行うことも多いです)

酸素吸入が終わると、麻酔が始まります。静脈からお薬が入り、だんだん眠くなってきます・・・。
静脈からのお薬でしっかり眠ってもらったあとに、呼吸の管を挿入し、吸入麻酔へ切り替えます。必要に応じて静脈から鎮痛薬を流します。

お薬を入れている様子


お薬で眠くなってきたソレイユくん


呼吸の管を入れたあと

今回、ソレイユくんは内視鏡検査を頑張りました。
検査や手術中は、異変があればすぐに対応できるよう、麻酔のモニターをつなぎ、動物の様子もしっかり観察します。体温が下がりやすくなるので、ヒートマットや湯たんぽ、毛布で温かくします。

検査中の様子

検査が無事終了したので、麻酔も終了します。

覚醒直後の様子


お部屋に移動する直前の様子

ソレイユくんは麻酔の醒めも良く、お部屋に戻った数分後にはキョロキョロしていました。

お部屋に移動して数分後の様子

検査を受けた日のソレイユくんの一日でした。
その子の状態や病気の状態、検査や手術の内容により変わることも多いので、ほんの一例ではありますがいかがだったでしょうか。
麻酔に関する詳しいお話は、長くなるのでまた別の機会にさせていただきますね。

大事なわが子を病院に預けるのはすごく不安だと思います。
小さなことでも、気になることがあれば何でも聞いてください。

獣医師 坂井