アジソン病(副腎皮質機能低下症)

寒い日が続き、わんちゃんのお散歩が大変ですね。
当院のぽんぽこりんもくっついて丸くなって寝ています。

さて、本日はちょっと珍しいアジソン病というホルモンの病気についてお話します。

 

アジソン病(副腎皮質機能低下症)とは

副腎という臓器から出るホルモンが何らかの原因で少なくなり、体がうまく機能しなくなるという病気です。
多くは免疫介在性の副腎皮質の破壊によるものと考えられています。

幅広い年齢での発症が報告されていますが、3~4歳の比較的若い犬で多く、スタンダードプードル、パピヨン、ポメラニアン、ウェストハイランドホワイトテリアなどが好発犬種といわれています。

 

症状

副腎皮質から出るグルココルチコイド(コルチゾール)とミネラルコルチコイド(アルドステロン)という2種類のホルモンが欠乏し、様々な症状を引き起こします。
グルココルチコイドが欠乏すると、下痢嘔吐などの消化器症状、元気食欲低下、低血糖、血圧低下、ミネラルコルチコイドが欠乏すると低Na血症、高K血症などの電解質異常、腎数値上昇などが認められます。
初期では特定の症状ではなく、他の病気でもよくある症状なので気づかれにくいことがあります。

また、ホテルやトリミングなどの後に食欲がなくなる、下痢をするというように、普段はぎりぎり足りているが、ストレスイベントによりグルココルチコイド要求量が上がることで、体のグルココルチコイドが欠乏してしまい、症状が出ることもあります。
アジソンクリーゼと呼ばれる重度の循環不全に陥る場合は、命に関わることもあります。

 

診断

臨床徴候や血液検査所見でアジソン病が疑われる場合、追加の検査として腹部超音波検査(エコー検査)や血中コルチゾール測定、さらにACTH刺激試験という検査を行います。
腹部超音波検査では副腎の大きさを確認します。アジソン病の場合は通常より縮小していることが多いです。
血中コルチゾールが低い場合、さらに確定するためにACTH刺激試験という検査を行います。副腎皮質を刺激するホルモンを注射し、刺激する前よりコルチゾールが出ているかどうか、1時間後に測定します。刺激の前後で増加しない場合はアジソン病の可能性が高いと診断されます。

 

治療と予後

グルココルチコイドとミネラルコルチコイドの両方が欠乏していることが多いので、それらをお薬で補充してあげることでコントロールします。
1種類のお薬で症状が改善することもあれば、数種類のお薬が必要になることもあります。
適切に治療できた場合、お薬は一生飲み続けることになりますが、予後は良好です。

なんだか最近元気がない、遊びに行った後だけ食欲がないなど、ちょっとした症状の中に大きな病気が隠れていることもあります。気になる様子があれば遠慮なくスタッフにご相談くださいね。

獣医師 沖田