変化を見逃さないためのおうち健康チェック

10月から健康診断キャンペーンが始まり、約1ヶ月が経ちました。
みなさんはすでに受けていただきましたか?

健康診断をしているとやはり「早めに見つかってよかった!」という場面が多くあり、定期的な健康診断の重要性を改めて実感します。

健康診断で実施する検査はコースにより異なりますが、どのコースでも変わらず重要なのはご家族からの「問診」です。
毎日一緒に過ごされているご家族にしか見つけられない、小さな変化からヒントを得て病気の発見に結びつくことがとても多いのです。

今回は、実際にあったご家族からの問診を参考に、おうちでもできそうな健康チェックをレベル別にご紹介します。

観察レベル1 触らなくてもわかる!外飼いでも毎日よくみてあげましょう
●便➡量、回数、匂い・・・ 量・回数が多くなった/少なくなった、匂いがキツくなった
  ➡大きさ、形、色・・・便の形が細い・コロコロと小さい、柔らかい/硬い、緑っぽい、黒っぽい
●尿➡色、匂い・・・色が濃い/薄い、甘いような匂いがする、匂いがしない、匂いが変わった
●被毛➡・・・毛並みが悪い、ツヤがない

観察レベル2 簡単なスキンシップでわかる!なでなでしながらこまめにチェック
●体重・・・ご家族が抱っこしながら体重を測り、そこからご家族の体重を引く
●耳・・・匂いがないか(たれ耳さんは軽くめくって匂ってみましょう)
●口・・・息が匂わないか、よだれが出ていないか

●毛玉・・・イラストので囲った部分にできることが多いので要注意!
●爪・・・床に着くほど伸びていないか
●足裏・・・肉球がしっかりと見えているか

観察レベル3 普段との違いでわかる!ちょっとした違和感に早く気づく
●声が変わった・・・以前と比べて声が掠れている
●咳が増えた・・・よく出るタイミングが決まっていないか(朝、水を飲んだ後など)
●水をよく飲むようになり、尿の回数が増えた
●なんとなく疲れやすい・・・遊びに誘っても反応が薄い、寝ている時間が増えた
●(猫ちゃん)爪とぎの回数が減った
●(猫ちゃん)なんとなく元気すぎる・・・興奮して目がらんらんとしている、食欲が旺盛すぎる

観察レベル4 普段の触る習慣がとっても大事!イボ・しこりのチェック
★ステップ1 背中・顔・手足
★ステップ2 肛門周囲・・イボ痔のようなもの(特に去勢手術をしていない男の子)、肛門腺の腫れ
       乳腺・・・乳頭付近のしこり(特に避妊手術をしていない女の子)

ステップ1はご家族が見つけてくださることが多いです。
ステップ2の場合は、仰向けの姿勢になったり、しっぽを上げないと見えないような部分ですので、健康診断ではじめてわかるか大きくなってから見つかるケースが少なくありません。
ステップ1ができたら、ぜひステップ②の練習を!

観察レベル5 健康チェックをマスター!?リンパ節の腫れをチェック

顎下・浅頚・腋窩・浅鼠径・膝窩リンパ節は、腫れていれば触って確かめることが可能です。
リンパ節と聞くと難しそうですが、「しこりができた」と聞いて触ってみるとリンパ節の腫脹だった!ということがたまにあります。
リンパ節の腫れは炎症や腫瘍が原因となるので、図を見ながら触って、健康チェックのルーチンに入れるのもいいでしょう。

それぞれの性格によっても観察の難しさが違いますが、始められそうな健康チェックはありましたか?
目立った症状がないようななんとなくの変化では、なかなか診察を受けてみようとはなりにくいこともありますよね。
わんちゃん・ねこちゃんの半年は人間でいうと2年です。老齢性の変化だと思っていたものの影に、病気が隠れていることは珍しくありません。
健康な時に病院に来る機会もそれほど多くないかと思いますので、ぜひ健康診断を受けて、こんなこと聞いていいのかな?ということをどんどん教えてくださいね。

動物看護師 道下