「あ!ノミだ!」プチッと潰すのは絶対NG?獣医師が教える正しい撃退法

「あ!ノミだ!」プチッと潰すのは絶対NG?獣医師が教える正しい撃退法 (3)

愛犬や愛猫の毛をかき分けているとき、黒い小さな影がササッと動くのを見たことはありませんか?

 

「うわっ、ノミだ!」

 

そう気づいた瞬間、背筋がゾッとしちゃいますよね。
正直なところ、見つけたら反射的に指で捕まえて、爪でプチッと潰したくなる気持ち、すごく分かります。
憎き害虫、今すぐ消し去りたいですもんね。

 

でも、ちょっと待ってください。

その「プチッ」という行動、実は最悪の手だってご存知でしたか?

大げさに聞こえるかもしれませんが、その瞬間に「ノミの卵を部屋中にばら撒いている」のと同じことになってしまうんです。

今回は、意外と知られていないノミの恐ろしい生命力と、本当に効果のある撃退法についてお話しします。

 

ノミを潰してはいけない「ホラーな理由」

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実を言うと、ノミのお腹の中には目に見えないほど小さな卵がたくさん詰まっていることが多いんです。

もしその状態でメスのノミを潰してしまうとどうなるか。
まるでクラッカーを鳴らしたかのように、卵がパァンと周囲に飛び散ってしまうんです。
想像すると少し怖いですよね。

 

飛び散った卵は、カーペットの繊維の奥やソファの隙間に落ちて、そこで静かに孵化の時を待ちます。
つまり、1匹を退治したつもりが、実は数週間後の大量発生の種をまいてしまっていた…なんてことになりかねません。

 

二次被害のリスク:お腹の虫まで!?

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ノミの怖さは痒みだけじゃありません。

わんちゃんやねこちゃんが、痒くて体を舐めたり噛んだりしているときに、ノミを誤って口にしてしまうことがあります。
そうすると、「瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)」、いわゆるサナダムシがお腹の中に寄生してしまうリスクがあるんです。

 

お尻から白い米粒のようなものが出てきてびっくりして病院に来られる飼い主さんも多いのですが、原因を辿るとノミだった、というケースは珍しくありません。
たかがノミ、されどノミ。病気の運び屋でもあるんですね。

 

ホームセンターの薬と病院の薬、何が違うの?

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「ノミがいるなら、ホームセンターで薬を買ってくればいいや」

そう思われる方も多いのではないでしょうか。手軽ですし、すぐに買いに行けますからね。
でも、ここには大きな落とし穴があります。

 

市販されているノミ取り首輪やスポット剤の多くは、実は「忌避剤(きひざい)」と呼ばれるものなんです。
簡単に言うと、「虫が嫌がるニオイを出して寄せ付けないようにする」のが主な目的で、すでについてしまったノミを強力に駆除する「殺虫効果」は持っていないものが多いのです。

 

確実に退治するための「正解」は?

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じゃあ、もしノミを見つけたり、家の中で発生してしまったりしたら、どうすればいいのでしょうか?
やるべきことはシンプルです。

 

まずは、物理的に減らすこと。
掃除機を徹底的にかけてください。ノミの卵やサナギは床に落ちています。掃除機で吸い取ってしまうのが、一番手っ取り早く数を減らせる方法です。

 

そして、動物病院で「駆除薬」を処方してもらうこと。
病院で扱うお薬は、ノミの神経に作用して確実に死滅させる成分が入っています。

背中に垂らすタイプや、おやつのように食べられるタイプなど色々ありますが、これを使えば、体にノミが乗ってきた瞬間にノミが薬の成分に触れて死んでしまいます。

 

ノミ予防は「マナー」でもあります

「あ!ノミだ!」プチッと潰すのは絶対NG?獣医師が教える正しい撃退法

最近はドッグランやトリミングサロン、ペット同伴可のカフェなども増えましたよね。

たくさんのワンちゃんネコちゃんが集まる場所に行くとき、ノミ予防をしていないと、大切なお友達に移してしまうかもしれません。
逆にもらってしまうこともあるでしょう。

 

「うちの子は外に出ないから大丈夫」と思っていても、人間が靴の裏につけて持ち込んでしまうこともあります。
ノミ予防は、自分の子を守るためだけでなく、周りの子たちへの思いやり、マナーでもあるんです。

 

まとめ

ノミを見つけても、絶対に潰さないでくださいね。

そして、自己流の対策で悩み続ける前に、ぜひ動物病院を頼ってください。
「これってノミかな?」と迷ったら、どうぞお気軽にご相談ください。

 


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【対象動物】

犬・猫の診療を主に行っております。

 

【免責事項】

本記事に掲載されている情報は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の動物の症状や状態を診断・治療するものではありません。
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