ヒーターやコタツ、安全に使えていますか?ペットの「暖房事故」を防ぐチェックリスト

ヒーターやコタツ、安全に使えていますか?ペットの「暖房事故」を防ぐチェックリスト

厳しい寒さが続く季節、暖房器具は私たちにとっても、わんちゃん・ねこちゃんにとっても欠かせないアイテムです。
暖かい場所を見つけて、気持ちよさそうに眠っている姿はとても微笑ましいものですね。
一方で、私たちが安全に使っているつもりの暖房器具が、ペットにとっては思わぬ「やけど」や「感電」といった事故の原因になってしまう危険性も潜んでいます。
今回は、冬の「ヒヤリハット」を防ぐために、ご家庭で確認していただきたい暖房器具の安全な使い方について、3つのポイントをご紹介します。

 

ポイント①:「やけど」のリスク(特に低温やけど)から守る


ヒーターやコタツ、安全に使えていますか?ペットの「暖房事故」を防ぐチェックリスト (2)

ペットは人間よりも皮膚が薄く、また被毛に覆われているため、熱さを感じにくいことがあります。

 

【直接的なやけど】

・対象器具:石油ストーブ、ガスファンヒーター、電気ストーブなど

・よくある事故:熱源に近づきすぎたり、好奇心から触ってしまったりして、鼻先やしっぽ、耳などをやけどするケース。

・対策(一般論):ストーブやヒーターの周りには、必ずペット用の安全柵(ストーブガード)を設置し、熱源に直接触れられない距離を保ちましょう。

 

【低温やけど】

・対象器具:ホットカーペット、こたつ、ペット用ヒーターなど

・よくある事故:心地よいため、長時間同じ場所で寝続けてしまい、皮膚の深い部分がじっくりと「低温やけど」を起こすケース。飼い主様が気づきにくいのが特徴です。

 

・対策(一般論):ホットカーペットなどは、ペットが直接触れないよう、上に一枚タオルや毛布を敷きましょう。
設定温度を低めにするか、タイマー機能を活用し、連続使用を避けましょう。
こたつの中は非常に高温になることがあります。こたつ布団を少しめくって熱がこもりすぎないようにする、長時間入ったままになっていないか、こまめに様子を確認しましょう。ケージやサークル内にヒーターを設置する場合は、必ず「涼しい場所(逃げ場)」も用意し、ペットが自分で体温調節できるようにしてあげることが大切です。

 

ポイント②:「コードかじり」による感電・火災のリスクから守る


ヒーターやコタツ、安全に使えていますか?ペットの「暖房事故」を防ぐチェックリスト (3)

特に好奇心旺盛な子犬や子猫、うさぎさんなどは、床に伸びている電源コードをおもちゃと勘違いして、かじってしまうことがあります。

 

・よくある事故:コードをかじって中の導線がむき出しになり、感電したり、ショートして火災の原因になったりするケース。

 

・対策(一般論):電源コードは、ペットの目に触れないよう、家具の裏やカーペットの下に隠して配線しましょう。
隠せないコードには、専用の「コードカバー」(プラスチック製や、苦味成分が塗布されたものなど)を装着し、直接かじれないように保護しましょう。使用していないコンセントの差し込み口には、コンセントカバーをしておくと、イタズラやよだれによるショート防止にも役立ちます。

 

ポイント③:「脱水」と「酸欠」のリスクに注意する


ヒーターやコタツ、安全に使えていますか?ペットの「暖房事故」を防ぐチェックリスト (4)

暖房器具の使用中は、空気の乾燥や室内の酸素不足にも注意が必要です。

 

・脱水のリスク:暖房が効いた暖かい部屋は、空気が乾燥しがちです。ペットは人間のように汗をかけないため、体温調節が難しく、気づかないうちに脱水状態になることがあります。

 

・対策:いつでも新鮮な水が飲めるよう、飲み水を切らさないようにしましょう。

 

・酸欠・一酸化炭素中毒のリスク:石油ストーブやガスファンヒーターは、燃焼のために室内の酸素を使います。

・対策:これらの暖房器具を使用する際は、必ず1〜2時間に1回は窓を開けて換気を行い、新鮮な空気を入れ替えましょう。この時、外へ脱走しないように気を付けてください。

 

まとめ

ヒーターやコタツ、安全に使えていますか?ペットの「暖房事故」を防ぐチェックリスト (5)

 

暖房器具は、冬を快適に過ごすために欠かせないものです。
ほんの少しの工夫と「もしかしたら」という視点で環境を整えるだけで、多くの事故は防ぐことができます。
ペットが安全に、暖かく冬を越せるよう、ご家庭の暖房器具の使い方をぜひ一度チェックしてみてください。

万が一、やけどをしてしまった、コードをかじって様子がおかしい、ぐったりしているなどの症状が見られた場合は、自己判断せずに、すぐに動物病院へご相談ください。

 

当院へのご連絡について

ご予約・ご相談はお電話にて承ります。ご予約はネット予約も可能です。InstagramのDMやコメント欄での病気の診断や治療に関するご相談・処方は、法律上お受けできかねます。ご了承ください。

対象動物

犬・猫の診療を主に行っております。

免責事項

本記事に掲載されている情報は、一般的な情報提供目的のものであり、特定の動物の症状や状態を診断・治療するものではありません。個々のペットの健康状態に関するご相談は、必ず獣医師にご相談ください。