愛犬・愛猫のための防災準備、見直しませんか?10月はフードと常備薬の点検を

涼しく過ごしやすい日が増え、本格的な秋の訪れを感じる10月。この時期は、ペットとの暮らしにおいても大切な「防災準備」を見直すのに最適なタイミングです。地震や台風などの災害は、いつどこで起こるかわかりません。

いざという時に「フードの期限が切れていた」「いつも飲んでいる薬がない」といった事態を避けるため、この機会に改めてご家庭の備えを確認してみませんか。

この記事では、特に重要な「ペットフード」と「常備薬」の備蓄について、ご家庭でできる見直しのポイントを解説します。

 

 

▶なぜ「半期ごと」の見直しが大切なのでしょうか?

愛犬・愛猫のための防災準備、見直しませんか?10月はフードと常備薬の点検を

防災準備は一度きりで終わりではなく、定期的に中身を確認することがとても重要です。その理由は主に3つあります。

     

  • 理由1:フードや薬には期限があるから 当然のことながら、ペットフードには賞味期限、薬には使用期限があります。特に災害時に備えて保管しているものは、日常生活で使うものより確認を忘れがちです。「いざ使おうとしたら期限が切れていた」ということを防ぐため、定期的なチェックが欠かせません。
  • 理由2:ペットの健康状態は変化するから ペットの年齢や体調によって、必要なフードの種類(療法食など)や薬の内容は変わっていきます。半年前は健康だった子が病気になり、毎日薬を飲むようになることもあります。その時のその子に本当に必要なものを備えるためにも、健康状態の変化に合わせて備蓄内容を更新することが大切です。
  • 理由3:防災意識を維持するため 防災の日は9月1日にありますが、時間が経つとどうしても意識が薄れがちです。そこで、例えば「春と秋の年2回」など、ご家庭でルールを決めて点検する習慣をつけることをおすすめします。気候が安定している10月は、落ち着いて作業しやすい時期と言えるでしょう。

 

 

▶今日からできる!フードの備え「ローリングストック法」

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災害時、ライフラインが止まると、すぐにペットフードが手に入るとは限りません。環境省のガイドラインでも、最低5日〜7日分以上のフードと水の備蓄が推奨されています。そこでおすすめしたいのが「ローリングストック」という備え方です。

 

  • 仕組み:いつものフードを「少し多め」にストック ローリングストックは、特別な非常食を用意する方法ではありません。

    1. 普段食べているフードを、いつもより少し多めに(例:1〜2袋多く)購入します。
    2. 保管しているフードの中から、古いものから順番に使っていきます。
    3. 使って減った分を、また新しく買い足します。

    このサイクルを繰り返すことで、常に一定量の新しいフードが家庭に備蓄されている状態を保つことができます。

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    対策:ローリングストックの利点

    • 食べ慣れたごはんを備えられる: 災害という大きなストレスの中で、食事が変わることはペットにとってさらなる負担になりかねません。いつもと同じフードは、ペットの安心に繋がります。
    • 賞味期限切れを防ぎやすい: 日常的に消費していくため、備蓄品を無駄にしてしまう心配が少なくなります。
    • 特別な手間がかからない: いつもの買い物の延長で、無理なく防災対策を習慣化できます。
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    注意点:アレルギーや療法食について アレルギー対応食や特定の病気のための療法食を食べている子は、災害時に同じものを手に入れるのが特に難しくなる可能性があります。こうしたフードこそ、ローリングストック法を活用し、多めに備蓄しておくことが重要です。ウェットフードや水分補給用の水も忘れずに準備しましょう。

 

 

▶もしもの時の「お薬」の備えと注意点

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持病があり、毎日お薬を飲んでいるペットにとって、災害時にお薬が切れてしまうことは命に関わる問題です。災害発生直後は、動物病院も被災してすぐに診察が受けられない可能性も考えられます。

     

  • リスク:災害時に薬が手に入らない可能性 交通網の麻痺や医薬品の供給不足など、様々な理由でいつも通りにお薬を受け取れない事態が想定されます。飼い主さんご自身やご家族の避難で、かかりつけの動物病院へ行けないこともあるかもしれません。
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  • 対策:日頃からできる準備
    1. お薬手帳や薬の情報をデータ化: お薬手帳や、現在飲んでいる薬の袋、処方内容がわかる明細などをスマートフォンで撮影し、保管しておきましょう。万が一、かかりつけではない病院で診てもらう際に、正確な情報を伝える助けになります。
    2. かかりつけの獣医師に相談する: 災害時の備えとして、どの程度の予備のお薬を持っておくのが適切か、事前にかかりつけの獣医師に相談してみましょう。自己判断で投薬を中断したり、量を調整したりするのは危険です。
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  • 注意:薬の保管方法 お薬にも適切な保管方法(冷暗所保存など)と使用期限があります。備蓄している薬が劣化しないよう、正しい方法で保管し、定期的に期限を確認することが大切です。防災用の持ち出し袋に入れる場合は、特に夏場の高温などに注意が必要です。

 

 

▶まとめ

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防災準備と聞くと少し大変に感じるかもしれませんが、まずは「フードの賞味期限をチェックする」「お薬手帳の写真を撮る」といった、身近なことから始めてみませんか。ひとつでも行動に移すことが、大切な家族である愛犬・愛猫を守るための大きな一歩になります。

もしご心配なことや、持病のある子の災害時の備えについて不安な点があれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください。


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