マダニ予防してますか?

みなさんこんにちは!獣医師の萩原です!
最近は過ごしやすい気候で、毎日のお散歩も捗っていることかと思います!
わんちゃんもついつい嬉しくなって茂みなどに飛び込んだり…
そんな姿を見るとついつい心配してしまうのが…マダニ。

マダニの予防薬はあるものの、月に一度なのでついつい上げ忘れてしまいますよね。

でも忘れているうちにひと月、ふた月と過ぎて、気が付いたら血を吸って膨らんだマダニが体に…
今回はそんな草むらに潜む厄介なマダニについてお話しさせていただきます!

 

マダニとは

マダニは山林や草むら、ヤブなどに生息しており、お散歩の際などに通りがかったわんちゃんや人間に飛びついて血を吸います。
マダニが血を吸っている間は痛みや痒みはほとんどありません。
マダニは自分の体重の約100倍の血液を吸い、3~8mmから10~20mmまで膨らみます。
血を吸ったマダニは動物の体から降り、地上で卵を産み、次の世代へと移ります。
マダニは数時間から数日かけてたくさんの血液を吸うために、皮膚に口を突き立てた後、セメント様の物質で、口と皮膚をがっちりと固定します。
したがって、無理に引き離そうとすると、マダニの一部が皮膚内に残ってしまい、炎症を起こすことがあります。
もしわんちゃんやねこちゃんの体にマダニが付いていても無理に引き離そうとせず、動物病院に行きましょう!

 

マダニが運んでくる病気

マダニの怖い所は、吸血されることだけではありません。
マダニはお腹いっぱいに血液を吸うと、自分の中にあった要らないものを、血を吸った相手に送り返します。
このときに、致命的な貧血の原因になりうるによるバベシア症や、人獣共通感染症である、**重症熱性血小板減少症候群**(SFTS)ウイルスなどの恐ろしい病気をうつされることがあります。
SFTSは突然の発熱、下痢や下血といった消化器症状とともに血小板減少と白血球減少がみられ、重症例は多臓器不全に陥り死亡することがあります。ご高齢の方で死亡率が高く、最近でも不幸なニュースがありました。

 

マダニの予防

マダニの予防薬ではマダニが体にくっつくこと自体を防ぐことはできません。
しかし、体にくっついてきたマダニが血を吸い切る前に殺虫効果を発揮することで、マダニが媒介する感染症からわんちゃんやねこちゃんを守ることができます。動物用医薬品でない製品でも、マダニの駆除効果があるものもありますが、マダニが吸血しきるまでに作用しなければ意味がないので、必ず、効果と安全性が保障されている『動物用医薬品』を使ってください。

予防薬は、ひと月を過ぎると殺虫効果が薄れてきてしまいます。
血を吸い切る前にマダニを倒すことができなければ、予防薬をあげた意味はありません。

わんちゃんとの快適なお散歩ライフを楽しんでいただくためにも、ふいに逃げ出した猫ちゃんが帰った時にマダニまみれにならないためにも、ぜひ忘れずに毎月予防薬をあげてください!

獣医師 萩原