ブドウ(レーズン)中毒

まだまだ暑い日が多いですが、日が暮れるのも早くなり始め、秋らしい空気も感じるようになってきました。
秋と言えば、美味しいものがたくさん旬を迎えます。食欲の秋ですね!
今回は、そんな秋の味覚の中でも動物さんでは注意してほしいブドウ(レーズン)中毒についてのお話です。

 

 ブドウ中毒? 

みなさんは、ブドウが動物にとって有害になりうることをご存じだったでしょうか?中高生時代のわたしは知らなくて、恥ずかしい話、実家で飼っていた子にブドウを与えたことがあります…。幸い問題は生じませんでした。
ブドウは、どの成分が動物にとって有害なのかまだ詳細は分かっていませんが、生・乾燥関係なく、皮だけの摂取や調理済のものでも中毒を引き起こすことが報告されています。
ブドウ中毒は急性腎障害を引き起こします。

 

 中毒量 

分かっていません。大量に食べても症状を示さない子もいれば、数粒で中毒になる子もいます。

 

 症状 

ブドウ中毒では、多くの場合腎臓に障害を生じます。
主な症状としては、摂食後24時間以内の嘔吐が特徴的で、他に、下痢、食欲不振、元気消失などがあります。

 

 ブドウを食べてしまったら? 

摂食後すぐの場合は、吐かせることで中毒症状の発症を防ぐことができるかもしれません。
また、ブドウを食べてしまったことに気付いておらず、自宅で嘔吐したものの中にブドウが含まれていた場合も速やかに受診してください。
中毒に陥ってしまった場合は、腎数値や尿量をモニタリングしながら静脈点滴を行います。治療介入は早期である方が良いので、気になることがあればご相談ください。

人間は当然のように食べていても、犬や猫にとっては有害である食べ物は意外にたくさんあります。有名なものではネギ(玉ねぎ)、チョコレート、コーヒーなどがありますね。
また、食べ物ではありませんが、人用の風邪薬は絶対に動物に与えてはいけません。
特に小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、家族全員で注意できるように一緒に調べてみてはいかがでしょうか。
大人でも、調べてみると意外なものが動物にとっては有害なものが見つかるかもしれませんね。
知るだけでなく、料理中など普段の生活でも気をつけるようにしましょう。(ハンバーグや餃子を食べちゃう子、たくさんいます…!)

獣医師 坂井