肛門腺ってなに?

犬や猫は、肛門を中心として4時と8時の方向に、肛門腺(肛門嚢)という分泌液を溜める袋を持っています。

来院時に肛門腺絞りを一緒にしたことのあるご家族や、
当院のパピークラスに参加したことのあるご家族は、
肛門腺から出てくる分泌液の臭いを嗅いだことがあると思いますが、かなり強い特徴的な臭いがします。
この臭いは相手を認識したり、マーキングをしたりするのに利用されます。
通常は、排便時にペースト状のものとして一緒に排出されることが多いです。
しかし、特に小型犬で多いですが自力で排出することができない子もいます。
お尻が気になって肛門周囲を舐めたり、お尻歩きをしたりする様子を見られたことは無いでしょうか。

この行為、放っておくと・・・?
肛門腺の貯留が原因だった場合、肛門腺が破れて肛門腺破裂の状態になったり、炎症を起こして肛門嚢炎になったりします。

見た目だけでも痛々しいですよね。
これらの疾患になってしまうと、動物はとても痛い思いをするうえに、熱が出てぐったりする子もいます。
月1回程度の定期的なケアで予防することができるので、トリミングに通っていない子は特に注意しましょう。
動物によっては1~2週間おきの肛門腺絞りが必要なこともあるので、お尻を気にする症状があればご相談くださいね。

獣医師 坂井