異物摂取について

問題行動の中で意外と多いのが異物摂取です。
異物摂取とは、文字通り異物(食べ物でない物/食べてはいけないもの)を食べてしまうことです。

 

【なぜ異物摂取をするのか】

●興奮している時(遊んでいる時、散歩中、ドックラン など)に誤って飲み込んでしまう
●一人でいる時に暇つぶしに物を噛んで飲みこんでしまう
●独占欲が強い子・食いしん坊は取られたくない自分のものにしたいと飲みこんでしまう
●人の食べ物は味が濃く美味しい

 

【異物摂取しやすいもの】

●飼い主さんの匂いの付いた物
●靴下、タオル、子供用のおもちゃ、ヒモ状の物、マスク など
●人の食べ物(チキン骨ごと・玉ねぎ・チョコ など) 
●くだものの種(桃、柿、ライチ、アボガド) 
●針(裁縫の針・釣り針) 

 

【異物摂取してしまった場合】

食べたものが便から出てきてくれるといいですが、胃から流れなかったり、腸の中で詰まったりすることがあります。
そのため何度も吐き、食欲もなくなり、元気がなく、ぐったりします。
来院して血液検査・レントゲン・エコーなどの検査をし、一般状態の確認後、食べたものがどこにあるのか検査をします。
そして、食べてから時間が経っていなくて吐き出すことが出来るものであれば、お薬を投与して吐かせる処置をします。
吐かせる処置をしても、食べたものが出てきてくれる時と出てこない時があります。
出てこなければ全身麻酔をして、内視鏡をして取り出します。
内視鏡でも取り出せない時は、胃や腸を切開して取り出すことになります。
吐かせる事が危険な場合や難しい場合などは吐かせる処置をせずに、胃切開や腸切開になることもあります。

どの処置もご家族様、ワンちゃんやネコちゃんにとってとても苦しいことです。
異物摂取はご家族様が気をつければ、防ぐ事ができます。
ワンちゃんやネコちゃんは、思いもよらない物を飲み込んでしまう事があるので、
ワンちゃんやネコちゃんの届く場所には、飲み込める大きさの物は置かないようにしてください。
異物摂取ができないお家の環境作りやしつけなどが大切になってきます。
又、以前に異物摂取をしたことがあるというワンちゃんやネコちゃんは、繰り返すことが多いので、十分気を付けましょう。

動物看護師 薮