せんなん奮闘記 vol.2 新人教育


先月の「救急カンファレンス」に引き続き、「せんなん奮闘記」と題して定期的に看護師のお仕事を伝えて行けたらと思います(^o^)/
今回は新人教育についてです。

<動物看護師の1年目>
今年度は、コロナ禍であるにも関らず、3人もの看護師が入社してくれました。
宮崎県からはるばる入社を希望してくれた子、当院に通われている動物さんのご家族、そしてありがたい男性看護師。
いろんなご縁があり、当院に入社してくれました。

みなさんは、動物病院で働く1年目ってどんなイメージをお持ちでしょうか。
(あまりイメージされたことはないかもしれませんが…。)

それは、なんと言っても「時間がない!」この一言につきます。
覚えることが多すぎて本人に時間も余裕もない…。
先輩も忙しくてゆっくり教える時間がない…。
診察中、獣医や先輩看護師はものすごいスピード感で動いています。
邪魔しないよう注意しながら必死に教えてもらう…その様子はさながらサバイバルのようです。
よく耳にする言葉は「ちょっと待って、あとにして!」

<新人教育プログラムがある!>
新人が次に何をすればいいか、教わればいいか分からず立ち往生…。
そういった状況を回避するため、当院では新人教育プログラムをあらかじめ作成しています。→動物看護師新人教育プログラムはこちら
「一年目に基礎を学び、二年目に応用を実践し、三年目からは自分が学びたい、特化したい分野を見つけ探求する」ことを目的として、改良に改良が重ねられたすばらしいプログラムです。
先輩は教育中も情報共有を行い、それぞれのプログラム進度を把握します。こうやって、プログラムの力や新人さんの学ぶ意欲を借りつつ、1年目をともにサバイバルしてゆきます。

<先輩とロープレ形式で練習中>
いま彼らがメインで取り組んでいるのは、ご家族への予防薬の説明です。必要な知識を頭に入れたあと、先輩とロールプレイング形式で練習していきます。
デビューを果たしたら、待合で目にする機会が多くなるかもしれませんね!
並行して頑張ってるのが保定(動物さんが動かないよう支えること)です。
これがなかなか…百犬(猫)百様の保定をするのは難しい〜〜。経験あるのみ!
その間にも検査や手術器具のペーパーテストを受けたり…まだまだ始まったばかりのサバイバルです。
来月からはとうとう、手術の助手などを勉強してゆきます!

「先輩も1年目の時、落ち込んだりしましたか?」
先日、新人さんに唐突に聞かれました。
「そりゃあるよ、大ありだよ!落ち込みまくったよ!笑」
「…そんなもんですか?」
「そんなもんですよ!」
私には日々成長して見えるのですが、自分で自分の成長は、なかなか見えないみたいです。

サバイバルを乗り越えるにつれ、動物が大好きだからこそつらい経験をしたり、思い描いていた仕事と違うな、ということが必ずあります。
コロナ禍でそういったことを気軽に聞き出せる時間も減ってしまい、少し心配です。
せめて仕事内だけでも、密にコミュニケーションをとり、動物病院で働く楽しさを精一杯伝えていくことができればと思います。
頼もしくなっていく彼らと働くのが楽しみです!

動物看護師 道下