猫の心臓病のお話

こんにちは、副院長の河村です。
昨年からのコロナ禍で東京や地方で行われる獣医師の学会やセミナー等は軒並み中止や延期となり、そのほとんどがオンラインセミナーとなりました。オンラインセミナー自体は「自分が好きな時にいつでも何度でも(一定期間内であれば)視聴できる」というとても勉強しやすいセミナーです。本日は2月に視聴したセミナーでとても勉強になった猫の心臓病のお話をさせていただきます。

犬と同様に猫にも心臓病は存在しますが、起こりやすい病気の種類には違いがあります。猫では「肥大型心筋症」という、心臓の筋肉が内側に向かって厚くなって心臓の中が狭くなり、結果として体に十分な血液が遅れなくなってしまう心臓病が最も起こりやすくなっています。

猫の肥大型心筋症の診断と治療に関しては犬の心臓病と違って今まで国際的な基準がありませんでした。そこで2020年にアメリカ獣医内科学会がガイドラインを作成し、犬の心臓病と同様に重症度によるステージ分類が行われ、それぞれの治療指針が定められました。これは画期的なことで、これまで自分自身の経験やいくつかの治療指針に沿って行っていた診断や治療に国際的な基準が加わることで今まで以上に自信を持って診断や治療にあたることができるようになりました。

心臓病や腎臓病など、私が獣医師になった10年前には存在しなかった様々なガイドラインが定められています。獣医療の進歩に置いていかれないようオンラインセミナー等を活用してこれからも日々勉強し続けていきます。

写真は先日新しく家族となった風(ふう)と鈴(りん)です
現在10ヵ月でお互い元気一杯です(^^)

副院長
河村