「寝てばかり」は年のせいじゃないかも?冬に悪化するペットの関節痛と、お家でできる4つのケア
2026.01.24

最強寒波のニュースも聞こえる今日この頃。
こたつやストーブの前から、わんちゃん・ねこちゃんが動こうとしない…なんてことはありませんか?
「もうシニアだし、寒いから動きたくないのかな」
「年のせいで寝てばかりなのは仕方ない」
そう思って見過ごしてしまいがちですが、実はその行動、寒さによる「関節の痛み」をじっと我慢しているサインかもしれません。
今回は、冬に悪化しやすいペットの関節痛(変形性関節症など)の見分け方と、お家ですぐにできるケアについてお話しします。
なぜ、冬は関節が痛むの?

人間でも「雨の日や寒い日は古傷が痛む」と言いますが、これは動物たちも同じです。
気温が下がると、体には以下のような変化が起こり、痛みを感じやすくなります。
1. 血行不良
寒さで血管が収縮し、血液の流れが悪くなることで、患部に発痛物質が停滞しやすくなります。
2. 筋肉の硬直
寒さで筋肉がこわばり、関節への衝撃を吸収しきれず負担が増します。
3. 気圧の変化
冬の低気圧により関節内の圧力が変化し、神経を圧迫することがあると言われています。
特に、シニア期(7歳〜)の子や、過去に骨折や手術の経験がある子、膝蓋骨脱臼(パテラ)などの持病がある子は注意が必要です。
「年のせい」と勘違いしやすい!痛みのサイン

動物は本能的に痛みを隠す習性があります。「キャン!」と鳴くのはよほどの激痛の時だけです。
日常の何気ない行動の変化こそが、重要なSOSです。
【犬の関節痛サイン】
- 散歩に行きたがらない、すぐに帰りたがる
- 歩くのがゆっくりになった、トボトボ歩く
- ソファやベッドへの上り下りをためらう
- 起き上がる時に時間がかかる(動作がぎこちない)
- 足を触ろうとすると嫌がる・怒る
- 寒いわけではないのに小刻みに震えている
【猫の関節痛サイン】
- 高いところに登らなくなった(キャットタワーを使わない)
- ジャンプの失敗が増えた
- グルーミング(毛づくろい)が減り、毛割れができている
- トイレの失敗が増えた(またぐのが辛いため)
- 触ると攻撃的になる
- 爪研ぎの回数が減り、爪が太くなってきた
もし当てはまる項目があれば、単なる「老化」ではなく「治療が必要な痛み」である可能性があります。
お家でできる「4つの関節ケア」

痛みを和らげ、悪化を防ぐために、お家でできる工夫があります。
【ケア①:徹底的な保温】
患部を冷やさないことが基本です。
- 服を着せる(特に関節まで覆えるタイプ)
- 腹巻きを活用する
- 寝床にペット用ヒーターや毛布を追加する
※低温やけどには十分ご注意ください。
【ケア②:床の滑り止め対策】
フローリングで滑ることは、関節にとって最大の敵です。
カーペットやコルクマット、ヨガマットなどを敷き、足裏のグリップが効く環境を作ってあげましょう。
足裏の毛(パットの間の毛)が伸びていると滑りやすいため、こまめにカットすることも大切です。
【ケア③:段差をなくす】
ソファやベッドへの上り下りには、スロープやステップ(階段)を設置しましょう。
また、食事の際、食器台を使って少し高い位置で食べられるようにすると、首や前足への負担を減らせます。
【ケア④:適正体重の維持(ダイエット)】
体重が重ければ重いほど、関節への負担は増大します。
冬は運動量が減り太りやすいため、おやつの量を調整し、適正体重をキープすることが一番の「薬」になります。
動物病院でできること

「痛み止めはずっと飲み続けなきゃいけないの?」「副作用が心配」という声もよくお聞きします。
当院では、単に痛み止めを出すだけでなく、その子の状態に合わせて以下のような治療法を提案しています。
- 疼痛管理(痛み止め):痛みの悪循環を断ち切るために、安全性の高い薬剤を使用します。
- サプリメント:軟骨成分(グルコサミン、コンドロイチンなど)や抗炎症成分(オメガ3脂肪酸など)の補給。
- 注射薬:定期的な注射による関節炎の緩和。
- レーザー治療:温熱効果で血流を良くし、痛みを緩和します。
- 体重管理指導:無理のないダイエットプランの作成。
まとめ

「動かないから楽なのかな」と思いがちですが、実は「痛くて動けない」のかもしれません。
痛みが取れると、嘘のように表情が明るくなり、若返ったように元気になる子もたくさんいます。
「最近、急に老け込んだかな?」と感じたら、年のせいと決めつけず、一度診察にお越しください。
痛みのない快適な冬をプレゼントしてあげましょう。
【当院へのご連絡について】
ご予約・ご相談はお電話にて承ります。ご予約はネット予約も可能です。
InstagramのDMやコメント欄での病気の診断や治療に関するご相談・処方は、法律上お受けできかねます。ご了承ください。
【対象動物】
犬・猫の診療を主に行っております。
【免責事項】
本記事に掲載されている情報は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の動物の症状や状態を診断・治療するものではありません。
個々のペットの健康状態に関するご相談は、必ず獣医師にご相談ください。



