チョコレート中毒について

<チョコレート中毒とは>
チョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインなどのメチルキサンチンの過剰摂取によって生じる中毒です。
チョコレートの種類によって含まれるメチルキサンチンの量は異なます。

<チョコレート中毒の症状>
摂取後早期(1-2時間)では落ち着きの消失や活動性の亢進が認められ、摂取後2-4時間で嘔吐や下痢といった消化器症状が認められるようになります。
重度の場合は痙攣や筋肉の痙縮が起こり死に至ることもあります。
ほかにも高体温や多尿、頻脈や呼吸数増加が認められることがあります。

<どれぐらい食べたら中毒になるの?>
ミルクチョコで考えると、軽度な異常は体重1kg当たり10g程度を摂取すると認められ、30g摂取すると痙攣などの神経症状を引き起こします。
また犬では体重1kg当たり50-100g、猫では40-75g摂取してしまうと半数は亡くなってしまいます。
つまり体重5kgの犬であれば、50gのミルクチョコレートを食べると異常が出るかもしれないということです。
体重に対するチョコレートの量の問題から小型犬の方が重篤になることが多いです。
またダークチョコやカカオ含有量の高いチョコレートでは、より少ない量で中毒になるので注意が必要です。

<治療>
摂取後2-4時間以内であれば催吐処置による汚染除去を行い、中毒性物質の吸着剤の投与を行います。
チョコレート中毒に有効な解毒薬は存在しないため、対症療法(出ている症状に対する治療)を行い動物を支持してあげることになります。

<最後に>
チョコレート中毒は盗食が原因となることが多いです。
私たちにとってはご褒美でも犬猫には毒になるのでしっかりと管理して大切な家族の安全を守りましょう。

獣医師 三田 良太郎