せんなん通信

歯周病について

2017.07.15

今回、私は「歯周病」についてお話ししていきたいと思います。

人でもよくある病気だと思いますが、動物でも同じように発生します。

 

〇歯周病とは…

りの組織の気です。「歯肉炎」と「歯周炎」を併せて歯周病と言います。

現在、日本では、3歳以上のワンちゃんの、なんと80%が罹患していると言われています。

歯周病

ここで注意したいのが、見た目が同じ、ということです。

歯周炎は主に、歯肉の下で進行していく病気なので、進行しているかどうかが表面を見ただけでは分かりません

そのため、歯周病の評価にはレントゲン検査が必要となります。

 

歯周病1 歯周病2

〇歯周病になると…

・口臭

・疼痛

・出血

・歯の動揺、脱落

・顎の骨が溶ける、骨折

等の症状が現れます。

それらに伴って、食欲不振、流涎(ヨダレを垂らすこと)などの症状も見られます。

また、近年では歯周病菌と心臓病との関連*1も示唆されています。

 

*1 Research in Veterinary Science 102(2015)、49-52、“Distibution of Porphyromonas gulae fimA genotypes in oral specimens from dogs with mitral regurgitation、麻布大学・大阪大学・岡山大学・安田獣医科医院

 

〇診断

前述の通り、レントゲン検査が必要です。

レントゲン検査によって、歯槽骨や歯肉縁下(歯の歯肉に埋まっている部分)の評価を行います。

見えている部分が綺麗であっても、骨が溶けていることもあります。

しかし、どうしても麻酔下での処置になるので、その前のステップとして、オーラストリップ®も活用できます。

オーラストリップ®は、スティック状の検査用紙で、先端にスポンジが付いています。それを歯肉と歯の境目に当てると、歯周ポケットの中で繁殖しやすい嫌気性細菌が作り出す“チオール”という成分に反応して、スポンジ部分の色が変わります。利点は無麻酔下で行えることです。ただし、細菌繁殖の程度、という点のみからの評価になるので、これのみで診断はできませんし、骨などの評価にはやはり画像検査が必須です。

 

〇治療

<歯肉炎>

歯石の除去、キュレッタージ、ルートプレーニング等の歯科処置(第一選択)

どうしても麻酔をかけられない場合は、内服薬等を利用した内科的な治療

 

<歯周炎>

破壊された歯周組織の除去(抜歯等の外科治療が主体)

内科的な治療では完全には修復できない

 

 

〇ならないためには…

まずは歯ブラシを使っての歯磨きの習慣をつけることです。

ガーゼなどによる歯磨きでもある程度は効果的ですが、歯周ポケット内の汚れなどには届きません。

また、定期的に歯科検診を受けることで現状を把握し、早めの対処を心がけましょう。歯科検診は最低でも半年に1回をおすすめします。

そして、付いてしまった歯石に関しては軽度のうちに除去してあげることで、最小限の被害で食い止めてあげることができます。

 

私たちは歯が痛くなれば自分で歯医者さんに行きますが、動物たちは自分から病院に行きたいなどとは言いません。かなり進行した状態になって、動物たちが我慢できなくなって初めて、SOSを出してくるのが普通です。なので、重症になる前にこちらから気にかけて、ケアをしていってあげることが大切なんですね!

 

歯磨きのやり方など、わからない場合はお気軽にご相談ください。

日頃から歯磨きをする習慣をつけ、口腔内の衛生を保っていきましょう。

 

 

獣医師 小川

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