せんなん通信

がんの痛み

2017.07.08

みなさん、自分の飼っている動物が痛がっていると感じたことはありますか?

 

痛みは大きく、急性疼痛・慢性疼痛・がん性疼痛に分けられます。

 

急性疼痛とは、痛みの程度は強いですが、数日程度の比較的短期間で和らいでいくもので、手術後やねんざ、怪我などがこれに該当します。

急性疼痛は、具体的な痛みの原因が比較的はっきり分かっていることが多いため、ご家族も獣医師も気づきやすいです。

 

一方、慢性疼痛とは、急性疼痛とは違い完全に治すことができませんが、痛みの程度は比較的軽度なもので、関節疾患などがこれに該当します。

慢性疼痛は、強い痛みを伴うことがほとんどないため、症状に現れにくく、なかなか気づかないこともあります。

 

では、がん性疼痛とはどのような痛みなのでしょうか?

がん性疼痛とは、一般的に急性疼痛と同程度の痛みが持続して生じている状態と表現されます。

がんの種類やがんの進行具合によって痛みは様々ですが、がんが進行するにつれてその痛みも増していきます。

 

現在では、獣医領域でも人医領域と同様、「手術」・「放射線治療」・「化学療法(抗がん剤など)」が、がんの主な治療ですが、それらと並行してあるいは、それらに先行して「栄養療法」・「痛みの緩和」が大事になってきます。

様々な理由から「手術」・「放射線治療」・「化学療法」が難しい場合であっても、多くのご家族が「ご飯を食べて欲しい」「痛みが和らいで欲しい」と思うのではないでしょうか?

 

ではどのような時に動物が痛がっているかもしれないと判断すればよいのでしょうか?

・ごはんを食べない

・動きたがらない

・呼吸が苦しそう

・触ろうとすると嫌がる

・寝ることができない

動物の痛みを正確に客観的に評価することは難しいですが、上記に示すような症状がみられた場合、大なり小なり痛みが生じているかもしれません。

このような場合に痛みの治療を行うことで症状が改善することが多々あります。

痛みの治療といっても様々な治療があり、その時の動物の状態によって痛みの治療は異なります。

痛み2 痛み1 痛み

これらは当院で使用している痛み止めの一部です。

これらを併用してその子にあった痛みの治療を行っていきます。

また、痛みの治療は入院ではなく、基本的に在宅での治療となります。

この他、手術・放射線治療・化学療法自体が痛みの治療となる場合もあります。

 

痛みを和らげることは、例外を除きますが、がん自体を治すものではないため、寿命を延ばすものではありませんが、当院では、「がんだからしょうがない」と諦めず、動物の生活の質をできる限り高めることを心がけています。

 

獣医師 伊藤

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