せんなん通信

進行性網膜委縮(PRA)

2017.06.27

お久しぶりです。獣医師の伊原です。

私は「眼科」に特に興味をもち、勉強しています。

今月より、眼科疾患についての情報をお伝えしていきたいなと思っていますので、お付き合いください。

 

今月ご紹介するのは、進行性網膜委縮(PRA)です。

進行性網膜委縮は、遺伝性の疾患です。

眼の網膜が進行性に変性し、視力低下や失明に至る病気です。

早ければ6ヶ月ごろより症状がみられ、中年齢頃に発症する場合もあります。

 

注意してほしい犬種

日本では、ミニチュアダックスフントやトイプードルで多くみられます。

その他に、ヨークシャーテリア、アメリカン・コッカースパニエル、チワワ、ラブラドールレトリーバー、コリーなどで認められています。

 

 

症状は?

初期には夜盲症といって、夜にだけ見えにくい症状があらわれます。

●  暗い時間帯の散歩を嫌がる

●  暗い場所で物にぶつかる

●  溝にはまる

こういった症状は明るい場所では見られず、普通に生活しているので、ご家族が気づかない事も多いようです。

徐々に明るい場所でも同様の症状が現れ、最終的に眼が見えにくくなると次のような症状も現れます。

●  おもちゃを追いかけなくなる(活動性が低下する)

●  壁伝いに歩くようになる

●  段差を怖がる

 

 

診断は?

様々な視覚に対する検査と、眼底検査で診断します。

写真は当院で眼底検査を行っている様子です。変性している網膜を確認します。

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進行性の疾患であるため、眼底カメラを使用し、経過を記録します。

ご家族への説明の際にも役立っています。

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場合によっては、網膜電位図検査が必要となるので、その際は眼科専門医に紹介させていただいています。

 

治療法は?

現在のところ有効な治療法は見つかっておらず、発症するとほぼ失明します。

まずは、愛犬のストレスを減らし、事故が起こらないよう環境を整えることが大切です。

そのためには、室内に邪魔になるものは置かないようにしましょう。

また、食器やトイレの場所を固定し、なるべく家具の配置も変えない方が良いでしょう。

 

抗酸化剤の投与で、進行が抑えられると言われていますので、当院では抗酸化作用のあるアスタキサンチンやビタミンEを配合したサプリメントをおすすめしています。

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獣医師 伊原

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