せんなん通信

てんかん発作について

2017.06.25

こんにちは。獣医師の田中です。

私は、脳や脊髄の病気「神経病」について勉強をしています。このブログでは定期的に神経病についてご紹介をしていこうと思います。

 

今回は犬、猫で多い神経病の1つ、「てんかん」を紹介させてもらいます。

 

「てんかん」とは、「大脳の神経細胞が異常に興奮することで起こる筋肉のけいれんや意識の喪失などの発作の症状を反復する疾患」とされています。簡単にいうと、てんかんは大脳の異常によってくり返し発作が起こる病気です。犬、猫の脳疾患、神経症状で最も多くみられる病気で、全身の筋肉がけいれんする発作がよく見られます。全身のけいれん発作が突如発生して、とてもびっくりされる飼い主様は非常に多いのではないかと思います。

 

てんかんは、「原因」と「発作の症状」によって分けられます。

 

○原因は、特発性症候性の2つに分けられます。

特発性てんかん:詳しい検査でも脳に異常がみられないてんかん

症候性てんかん:脳の先天的な異常、炎症、腫瘍、血栓などによって起こるてんかん

 

○発作の症状は、焦点性発作全般発作に分けられます。

焦点性発作:脳の一部が異常をきたして、体の一部分だけにけいれんが起こる発作や、何もない空中を噛むような行動(ハエ噛み行動と呼ばれます)などが起こります。焦点性発作から全般発作に移行する場合もあります。

全般発作:脳全体が一斉に異常をきたし起こる発作。意識を失います。犬、猫で多くみられるてんかんでは、全身の筋肉が突っ張り、手足をピンと伸ばすような発作(強直性けいれん)から始まります。続いて筋肉が伸びたり縮んだりを繰り返し、足をガクガクさせるような発作(間代生けいれん)となり、通常は数分以内で終わります。発作のあとはもうろうとすることが多いです。

 

けいれんが起こったとき

通常、数分以内でおさまるので、あわてて抱き上げたりはせず、落ち着いてよく様子を見てあげてください。発作を起こしている間は意識がないので、周りの物にぶつけないようにクッションや毛布などを置いてあげてください。また、噛まれてしまう恐れがありますので、口の中に手を入れないでください。もし可能なら、診断の助けになりますので、ケータイなどで発作の様子を動画撮影してください。初めての時は余裕がないと思いますので、撮影できなくても大丈夫です。

ただし、発作が30分以上止まらない1日に何度も発作が起こる場合は急を要することがありますので、病院にご連絡ください。

 

診断

身体検査、血液検査、画像検査(レントゲン検査、超音波検査)を行います。これらの検査に異常がなければ脳の疾患と考えられます。必要であればさらに詳しい検査としてMRI検査などを実施します。それらの検査結果からてんかんの原因を診断します。

 

治療

てんかんの治療の目的は、発作の頻度を減らしてあげることで、動物や飼い主様の不安や苦痛をできるだけやわらげ、生活の質 (QOL)をより良くすることです。

発作が起こったとしても、すべての患者さんで治療が必要なわけではありません。一般的には、短い発作が3か月に2回以内であれば治療の必要はないと言われています。

治療が必要な場合は、発作の発現を抑えるお薬を飲んでもらいます。しかし、このお薬はてんかんを治すお薬ではないため、長い付き合いが必要となることが多いです。また、発作の頻度がゼロになることはあまり多くありません。しかし、お薬によっててんかんの症状をコントロールしてあげることで、より良い生活が送ることができます。

 

「てんかん」についてご不安や疑問がありましたら、いつでもご相談くださいね。

 

獣医師 田中

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