せんなん通信

乳歯遺残

2017.06.13

こんにちは(^^)獣医師の小川です。

今月から獣医師が様々な病気に関連する情報を発信していきます。私は「口腔内・歯」にまつわる病気の情報を中心にお届けしていきたいと思います!

●意外と知らない、でも実はとても怖い「口腔内・歯」の病気●

なにが怖いかというと、見えないところで着々と病気が進行していくことです!つまり、重症にならないとわからない、ということです。

口の中は意識して見ないと、把握することができません。

なので、そんな言われないと気がつかない「口腔内・歯」の病気に関して、このブログを通して少しでも興味を持ち、意識を向けていただけたら幸いです。

 

では早速ですが、今回は「乳歯遺残」についてお話ししたいと思います。

聞きなれない言葉かもしれませんが、要は、抜けるはずの子どもの歯が残っている状態のことを言います。

犬や猫も人間と同じで、乳歯(子どもの歯)から永久歯(大人の歯)に生え変わる“二生歯性”という性質をもつのですが、何らかの原因で乳歯が抜けずに残る場合があります。

 

①なぜ起こるの?

多くは起こしやすい犬種だったり、遺伝的な問題で発生します。

犬、特に小型犬での発生率は比較的高いですが、猫では珍しいです。

他にも、

・生えてくるはずの永久歯がもともと無い

・乳歯と顎の骨が強固にくっついている

・永久歯が乳歯にぶつかってしまい、上手く押し出せない

・成長や代謝に関するホルモンの異常

なども原因となります。

 

②乳歯が残っていると…

「乳歯遺残」が見られた場合、以下のような症状や合併症が起こる可能性があります。

・永久歯の不正咬合

永久歯の噛み合わせが悪くなることで、口内炎、歯肉炎、歯周炎を引き起こす原因となります。

・乳歯と永久歯の間に歯石が付着しやすくなる

歯と歯のすき間が増えるので歯垢や歯石が付着しやすくなります。

その結果、小さなうちから歯周病を発症するリスクが高まります。

・唇や上アゴや、様々な口の中を傷つける

乳歯は鋭いので、本来なくなるはずの場所にあると口腔内を傷つける原因になります。

更に、永久歯が変な方向に生えてしまっていれば、それらも口腔内を傷つける原因になります。

③診断

まずは、視診にて乳歯の遺残を確認

次に、口腔内のレントゲンにて診断

歯の根元の構造の評価や後に生えてくる永久歯があるかどうかを確認します

乳歯の根元は吸収されていくはずなので、それも確認します

 

④治療

パターンは大きく2つです。

永久歯が生えてきていない場合 → 無治療(乳歯を生涯使い続ける)

それ以外 → 抜歯

*噛み合わせが悪い場合は矯正を行うこともあります

しかし、その子の年齢、乳歯遺残の発生場所、永久歯の状態等、様々な条件や状況によって、治療法は異なります。

 

【症例】

<右上顎犬歯>

乳歯遺残

<左上顎犬歯>

乳歯遺残2

「乳歯遺残」について、少しわかっていただけましたでしょうか?

もし愛犬の口の中を覗いてみて、「もしやこれは…」と思ったら、獣医師にご相談を!

獣医師 小川

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