せんなん通信

「心雑音が聴こえます」と言われたら…

2017.06.10

シニアのワンちゃんの飼い主様の中で、ワクチン等で来院されて身体検査を受けている最中、獣医師に「この子は心雑音がありますね」と言われたことがある方は少なくないと思います。もしそのような方の中で、「この子ももう高齢だし、心雑音くらいあっても仕方がないかな…」と、心臓の検査や治療を受けていない方がいらっしゃいましたら、すぐに病院に行き、まずは心臓の検査を受けられることを強くお勧めします。ワンちゃんにとって心雑音は、正常な老化ではなく、立派な病気のサインなのです。

 

そもそも心雑音とは何なのでしょうか?聴診器でワンちゃんやネコちゃんの心臓の音を聴くと、通常は「ドックン、ドックン」という心音が聴こえます。この規則正しい音の中に入る「ザーッ、ザーッ」という雑音、これが心雑音です。

健康な動物では、血液は心臓の中を常に一方通行で流れています。それは心臓の中にある4つの部屋をつなげるそれぞれの弁のおかげなのですが、その弁が加齢等の原因によりきちんと閉じなくなると、そこで血液が逆流し、心雑音が聴こえるようになります。

SKM_C754e17060710000_0001 SKM_C754e17060710000_0001 (2)

 

心雑音が聴こえた場合、まずはレントゲン検査と心エコー検査を行います。レントゲン検査で心臓の大きさや肺の状態等を、心エコー検査で血液の逆流量や心臓にかかっている負担の大きさ等を確認します。また、必要に応じて血液検査や血圧測定、心電図検査を行います。それらの検査結果を総合して重症度を判定し、治療内容を決定します。上記の検査は全て麻酔の必要がなく、ワンちゃんへの負担も最小限で行うことができます。

 

ワンちゃんの心臓病の治療はほとんどが内科的な治療(お薬による治療)であり、心臓の負担を減らし、生活の質(QOL)を改善させてあげることを目的とします。

内科的な治療をした心臓病のワンちゃんは、治療をしなかったワンちゃんの2.7倍の生存期間の延長が認められた*との報告もあり、心臓病も他の多くの病気と同じく早期発見・早期治療が非常に重要です。

 

大切なワンちゃんがいつまでも元気でいられるように、「心雑音が聴こえます」と言われたら、すぐに心臓の検査を受けさせてあげて下さい。

 

*The Bench Group: Journal of Veterinary Cardiology, 1(1), 7, 1999

副院長・獣医師

河村

PAGE TOP ↑