せんなん通信

腫瘍についてのセミナー

2016.03.03

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先日、日本小動物がんセンターの中野先生をお招きし、腫瘍学のセミナーをしていただきました。
今回のセミナーでは、眼の腫瘍、腫瘍随伴症候群、フェンタニルパッチについてお話しいただきました。
眼の腫瘍は犬、猫でも発生し、最も多い腫瘍は悪性黒色腫(メラノーマ)です。眼の悪性腫瘍はその他の部分にできた悪性腫瘍と同様に肺転移を起こすことや、眼底に発生した場合は脳に浸潤することもあるので治療が必要となります。なので、健康チェックなどで来院していただいた際に目もしっかり見て腫瘤性病変がないかチェックすることが早期発見、早期治療につながります。目の周りや目の中のできもの、異変を感じられた場合は遠慮なく獣医師にご相談いただきたいと思います。
腫瘍に罹患した動物は腫瘤自体による直接的な悪影響を受けるだけでなく、腫瘍が放出する物質によって体の機能が乱される場合があります。これを腫瘍随伴症候群と呼びます。腫瘍によって引き起こされる病態は様々で、例えば血液中のミネラルの1つであるカルシウムが異常に高値になる場合や、低血糖、貧血、多血症などがあります。腫瘍の治療を行う場合は、腫瘍自体の状態だけでなく腫瘍によって引き起こされると予想される病態についても把握し、治療することが重要であることを学びました。
腫瘍に罹患した動物は見た目にはわからないですが、痛みを伴っている場合が多いです。特に終末期の場合、非常に強い痛みが発生し動物の生活の質が低下します。なので、腫瘍の治療として疼痛管理は生活の質を最後まで保つために非常に重要となります。フェンタニルパッチとは、簡単に言うとシート状の痛み止めの貼り薬です。フェンタニルパッチは末期のがんの疼痛管理に使用します。フェンタニルパッチは重大な副作用は少なく、皮膚に貼り付けるだけなので動物の負担が少なく使用することができます。フェンタニルパッチを適切に使用することで、最後まで生活の質をできる限り保ってあげることができ、動物、飼い主様の負担軽減につながります。
今後も腫瘍についてセミナーを通して勉強しより多くの情報をお届けし、飼い主様とその家族である動物がより良い生活を送る支えとなれれば幸いです。

泉南動物病院 獣医師 田中

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