せんなん通信

ワンちゃんや、ネコちゃんの避妊・去勢手術についてみなさんはどのくらいご存知でしょうか?

2008.12.10

メスの動物は避妊手術として卵巣と子宮を摘出しますが、そのメリットとしては、
①望まれない動物が増えない。(不慮の交配)
②発情時の出血のわずらわしさから開放される。
③卵巣・子宮の疾患、乳腺腫瘍の発生率が減る。
④発情時のストレスが軽減される。

オスの動物は去勢手術として精巣を摘出しますが、そのメリットとしては、
①望まれない動物を作らせない。(不慮の交配)
②発情したメスがいることで受けるストレスが減る。
③性ホルモンに依存した病気の発生率が減る。(例:前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫)
④尿によるマーキングの回数が減る。(個体差があります)     などがあげられます。

もちろんメリットだけでなくデメリットあります。
例えば、食欲が亢進し、代謝が低下しますので太りやすくなります。しかしこれは食餌管理により防ぐことが可能です。
また、手術をする際には全身麻酔をかけるのですが、そのリスク、手術の方法、術後の管理に多くの飼い主さんが不安を抱かれていることと思います。
しかし、近年、獣医学は大きく進歩し、全身麻酔・手術に関するリスクは少なくなっています。様々な薬を数種類組み合わせて麻酔・鎮痛管理を行うことにより、麻酔による事故を最小限にし、術後に痛みを与えないように徹底させることが可能となり、手術の翌日からすでに動物たちは日常の生活をおくることができるようになりました。また、近年知られるようになってきた縫合糸反応性肉芽腫(血管を結ぶために用いた糸に反応して腫瘤が出来てしまう病気)を考慮してできるだけ縫合糸を使用しないで行う手術の方法(熱で血管をシールする機械を用いて行います)など、その方法は数多く、避妊・去勢手術といった予防のための手術で起こる事故を最小限に留めることができるようになりました。

避妊・去勢手術についての意見は様々だと思います。現在では避妊・去勢手術をすることが常識化されていますが、やはり「痛そう」「自然のままでいさせてあげたい」など反対の考えもあると思います。しかし、人と暮らすという時点で自然ではありません。繁殖能力があるのは素晴らしいことですがそれを使えずにストレスで苦しんだりするよりも、人の手でコントロールする方が快適に過ごせることもあります。

大事な家族の一員である動物達の手術は、予防の為の手術と言えども、飼い主さんにとっては一大決心が必要となるものです。飼い主さんの不安は動物達にとっても大きな不安につながります。少しでも不安の少ない手術を行えるように、わからないことなどがあれば動物病院までご相談ください。

泉南動物病院 獣医師 宮崎絢

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