せんなん通信

椎間板ヘルニアについて

2009.02.10

急に腰が立たない、ふらつく、身体を痛がる場合には椎間板ヘルニアの可能性があり、緊急手術が必要な場合があります。
椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間でクッションの役割をしている椎間板といわれる部分が、脳から背骨を通っている脊髄神経という大事な神経の下に飛び出し、圧迫してしまい神経に傷害を起こします。圧迫が急激に強く起こると脊髄神経が麻痺してしまい、ふらつきや、立てなくなったり、痛みの感覚がなくなったりします。
麻痺が重度の場合には後遺症が残る場合がありますが、早く治療をおこなう事により後遺症の発生率を少なくする事ができ、治るまでの時間も短いと言われている為、早期発見と早期診断、さらに早期の治療がとても重要となります。
 
脊髄の麻痺をおこす病気はヘルニアの他にも存在するため、ヘルニアの診断を行うためには、血液検査やレントゲン検査の他に脊髄造影やCT、MRIといった、特殊な検査が必要となります。

 治療には、安静状態を保ち、お薬、レーザーを用いる内科的な方法と、手術を行い脊髄を圧迫している髄核部分を摘出する外科的な方法があり、動物の麻痺の程度や状態によって選択されます。一般的には、立てなくなるほどの麻痺の場合は手術を行い、脊髄神経を圧迫している椎間板物質を取り除く必要がでてきますので、症状を発見したらなるべく早く診察を受けるようにしてください。

ヘルニアの症状(5段階評価)
軽度 1 ヘルニアを起こした付近の強い痛み
    
2 後ろ足のふらつき
    
3 起立や歩行が不可能になる
    
4 皮膚の感覚の麻痺、尿や便をもらしてしまう
重度 5 骨の痛みの消失

正常な椎間板

正常な椎間板(aの繊維輪に髄核が囲まれている)

圧迫している状態

髄核が繊維輪を突き破って脊髄神経を圧迫している状態

 手術では、特殊な医療用ドリルを用いて、背骨の横に開けた小さな窓から、飛び出している髄核を除去します。脊髄神経のすぐ近くでの処置になるため、手術用拡大鏡や、微小手術用の特殊な器具を用いて行います。

 
早期の手術後、入院もしくは自宅でのリハビリテーションを行い、回復を目指します。

 
ご不明な点がございましたら、担当医までお尋ねください。

獣医師 寺本 健太郎

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