せんなん通信

動物たちの老後について

2009.07.10

最近では、動物医療技術の向上や飼い主さんの動物愛護精神の高まりにともなって、ヒトと共に動物達の高齢化もすすんできています。それと同時に、様々な病気になる割合も多くなっているように思います。

ヒトに痴呆(現在では認知症と呼ばれる)があるように、犬にも痴呆というものがあり、その症状には特徴があることがここ十数年で分かってきました。

犬痴呆の定義は「高齢化に伴って、一旦学習した行動および運動機能の著しい低下が始まり、飼育困難となった状態」とされています。
簡単な判断基準として

  □夜中に意味もなく単調な声で鳴き出し、止めても鳴きやまない。
 
□歩行は前にのみとぼとぼ歩き、円を描くように歩く(旋回運動)
  □狭い所に入りたがり、自分で後退できないで鳴く。
  □飼い主も自分の名前も分からなくなり、何事にも無反応になってくる。
 
□よく寝て、よく食べて、下痢もせず、痩せてくる。

この中で当てはまる項目が一つあれば痴呆を疑い、二つ以上で痴呆と判断します。

 では痴呆になってしまった犬に対してどう接して、どう対処すればよいのでしょうか?

痴呆犬というものは、心臓病、腎臓病、腫瘍、関節、ホルモンの病気など、様々な他の病気を併発していることが多いので、早期にこれらを発見し対処していく必要があります。
また、痴呆犬は体温調節能力が低下しているため、冬場の保温や夏場の熱射病には特に注意する必要があります。

その他、寝たきりになった場合は床ずれ(ジョクソウといいます)に注意し、視力・聴力が極度に低下している場合は、ゆっくりと一定の順番で触ってあげるなど、その子にあったケアが必要になります。

‘もう歳だからしょうがない’ではなく、‘歳だからこそ’残された生活をどれだけ充実させてあげられるかを考えなければなりません。
動物を最期まで責任を持って看取るということは、肉体的、精神的、そして経済的にもとても大変なことだと思います。
しかし、それができるのはやはり今までずっと一緒にいた飼い主さんしかいないのです。
わからないこと、不安なことは何でも動物病院に相談してみてください。一緒に動物にとって最もよいケアの仕方について考えていきましょう。

獣医師 萩森健二

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