せんなん通信

うさぎさんのお話し。

2009.12.10

最近はペットショップなどでもエキゾチックアニマルといわれる動物たち(犬・猫以外の小さい生き物 例えば、ハムスター、フェレット、ウサギ、鳥、爬虫類など)が、たくさん取り扱われるようになり、病院に来院される小さな生き物たちが増えてきました。

今回はそんなエキゾチックアニマルの中でも数多い、臆病なのに好奇心旺盛で、小生意気な愛すべき耳の長い動物、うさぎさんのお話です。

常に栄養価の低い草や葉を食べるように進化したうさぎは、四六時中食べる性質で、
様々な病気により体調が悪くなっても、食べ続けることをやめようとはしません。
従って、ウサギの食欲が低下・廃絶するということは死活問題であり、
「まだ少しは食べてるから大丈夫」というのはウサギにはあてはまらないのです。

また、ウサギは元来野生下では完全なる被捕食動物、つまり食べられてしまう側の動物です。
野生の中で体調が悪いそぶりを少しでも見せれば群れの中で弱い個体と認識されてしまい、
捕食動物に狙われてしまいます。
ですから少し体調が悪いくらいでは平気な振りをするのです。
そのため飼い主さんが「なんかいつもと違うなあ」と気がついたときには、
病状は深刻で生命の危機が隣り合わせになっていることが少なくありません。

さらに、外的刺激に敏感で知らない人間に触られたり、押えられたりすることがストレスになることもあり、
進んだ検査や治療が困難になることが多いのです。

そんなウサギさんと少しでも長く楽しい時間を過ごしてもらうために!!
何よりも普段からの生活環境を整える事が大切になります。

  

適切な食事管理>

ウサギは完全草食性動物で、また生涯歯が伸び続けます。
野生であった時には硬い葉や草を食べることで歯が摩耗(歯と歯が擦れあって削れること)し
適切な状態を維持していたのですが、人間と暮らすことで
ウサギ本来の食べ物ではない高栄養の食べ物を与えすぎるために
歯(切歯・臼歯)の過長症や、肥満、消化不良・尿石症が引き起こされることになるのです。

   ★推奨される給餌内容★
・体重の5%未満のペレット
・乾草の自由採食(チモシー等のイネ科の乾草)
・副食
 
(野菜など植物質のもの。
与える必要性はないが、ウサギは幼小期に食べた経験のないものを
 
成熟後に食べないことが多いので、将来的に味を覚えさせておきたいものは
 
幼小期より与え、食物として認識させておく来ましょう。)

  

日常のケア>
ウサギの骨は非常に軽くできています。
これは体重を軽くすることで捕食者から身を守る為の進化といわれています。
ウサギはその臆病な性格から驚いた拍子にパニック状態になり暴れることがあり、
また、その骨はきゃしゃにできているため、骨折を起こす事が少なくありません。
パニック状態で暴れると、自分の筋力によって自分の脊椎すら骨折させてしまうことがあります。
抱っこしたり、高い所に登らせたりすることはやめましょう。

また床の上で滑らないように爪はまめに切ってあげてください。
お家では嫌がってできない場合は、病院で切ることをおすすめします。

ウサギも高齢になると便の状態によってお尻周りが汚れてしまったり、
よだれで首が汚れてしまったり、毛づくろいができなくなって皮膚病になってしまうことがあり、
日々の適切なブラッシングやケアが必要となります。

  

避妊手術・去勢手術>
小型の草食動物であり、肉食獣に捕食される立場にあるウサギは、
子孫を残す必要性から優れた繁殖力を備えています。
このため、雌雄が同居していると次々と子ウサギが増えてしまいます。

妊娠する機会がない家庭の雌ウサギはホルモンバランスが不安定となり、
子宮や乳腺に様々な悪影響を及ぼし、寿命を左右するばかりでなく、
ウサギにとっては不安定な精神状態が続くので、
飼い主さんとコミュニケーションをとる上での大きな障害となります。
避妊手術は繁殖抑制の目的のほか、雌ウサギに多い子宮・卵巣・乳腺の病気を予防するためには必要です。

雄ウサギは尿のマーキング行動(スプレー)で縄張りを主張したり、
強い縄張り意識のために飼い主さんに対して攻撃的になることもあります。
また、去勢されてない雄のウサギは「子孫を残す」という本能を強く持っているため、

常にストレスにさらされているといえます。
また発生頻度はそれほど多くはありませんが、精巣腫瘍の予防にもなるので、
去勢手術は不要な出産を防ぐことのほか、好ましくない行動の軽減のためにもしてあげるほうがよいでしょう。

当院でも、生後半年以降のウサギの避妊・去勢手術は受け付けています。
健康状態や術後の状態、同居動物の状況などにもよりますが、
日帰りで退院後数日間の抗生物質の投薬が必要です。

またウサギは痛みに弱いと言われていますが鎮痛管理を徹底しますので
術後の痛みによる状態の悪化などはほとんどありません。
一度健診を受けてから手術を受けることをおすすめします。

弱々しく、飼育するのにも注意点がいっぱいのうさぎ。。。
しかし、だからこその魅力を備え、あなたを虜にするのは間違いありません☆

獣医師 宮崎 絢

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