せんなん通信

多飲多尿に隠れている病気

2013.08.15

まだまだ暑い日が続いていますね。
熱い日が続くと、どうしても水分を取りすぎてしまいがちですが、
実はわんちゃん・ねこちゃんも暑さを感じると、お水をたくさん飲むことがあります。
お水をたくさん飲むとトイレが近くなってしまう。
そんな当たり前のように思うことの中に、実は病気が潜んでいる事があります。
今回は多飲多尿の症状がある病気の中からいくつか代表的なものをご紹介します。

 


子宮蓄膿症

子宮に膿が溜まってしまう病気で、
悪化すれば、子宮が破裂して膿が腹腔内に飛び散って腹膜炎を起こしたり、
病原菌の毒素が体中に回ってひどい腎臓障害や多臓器不全、敗血症を引き起こして死に至ってしまう病気です。
避妊手術をしていない中高齢のワンちゃんに多い病気です。

症状
食欲不振、元気がない、多飲多尿、嘔吐、腹部膨満、外陰部から悪臭のある膿汁の排出など

治療方法
手術で膿が溜まっている子宮を摘出します。
発見が遅れてしまう手術前に亡くなってしまうことや、手術を行っても助からないこともあります。
お薬で治療する方法もありますが、やはり大きなリスクを伴います。

予防方法
若年期に避妊手術を行うことをお勧めします。

慢性腎臓病

腎臓の機能が徐々に低下し、尿を正しく作ることが出来なくなってしまい、体内の老廃物を排泄する事が出来なくってしまいます。
また、腎臓は尿を作るだけでなく、血圧の調節や赤血球を産生するホルモンを作る役割もあるため、
慢性腎臓病が進行してくると、高血圧や貧血に陥ります。
高齢のねこちゃんに多い病気です。

症状
多飲多尿、食欲不振、元気がない、嘔吐、体重減少、脱水など

治療方法
一度機能が低下してしまった腎臓は、元に戻すことはできません。
ゆえにこの病気は治る病気ではないのです。しかし、病気の進行を遅らせることは可能です。
たんぱく質・リンを制限した療法食を与える食事療法、脱水を緩和するための輸液療法など、
様々な方法で進行を遅らせ、症状を抑える事が出来ます。

予防方法
適度な水分を定期的に摂取し、排尿の回数を増やすことで腎臓を保護することができます。
わんちゃんの場合は、散歩や遊びの回数を増やすことで、飲水を促すことができます。
ねこちゃんの場合は、トイレが清潔でないと排尿を我慢する傾向があるので、清潔に保つことと、
トイレの場所や個数を考えてあげる工夫が必要になります。
また、早期発見、早期治療がとても重要になるので、定期的な血液検査、尿検査をお勧めします。

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

腎臓の上にある副腎の中の、副腎皮質という内分泌腺が異常起こし、そこから出る副腎皮質ホルモンが多量に分泌されることにより起こる病気です。
副腎は生きるためにとても大切な器官なので、その異常は体に大きな影響を及ぼし、さまざまな変化を与えます。

症状
ビール腹のようにお腹が膨む、左右対称の脱毛、皮膚が薄くなる、多飲多尿、活発でなくなり寝てばかりいるなど

治療方法
一般的にはお薬での治療が主となりますが、腫瘍によっては外科手術や放射線治療も行われます。

予防方法
クッシング症候群の予防方法はありません。
したがって早期発見・早期治療を心がけることが大切です。
6歳以上のわんちゃんで多い病気です。
6歳を過ぎて上記にあるような症状がみられた時はすぐにご相談ください。

これらの病気以外にも糖尿病、肝不全、甲状腺機能亢進症など様々な病気で多飲多尿の症状を示します。
では、いったいどのくらいのお水を飲めば多飲なのか、どのくらいの排尿すれば多尿になるのかという疑問が出てくると思います。

一般的に
体重1kgあたり1日に100ml以上飲むと多飲です。
体重1kgあたり1日に50ml以上排尿すると多尿です。

例 : 10kgのわんちゃんの場合だと、1日に1リットル以上のお水を飲み500ml以上の排尿があると多飲多尿と判断します。

このように体重が分かっていればお家でも判断することは可能です。
多飲多尿は様々な病気の初期に表れてくることが多い症状です。
最近、お水をよく飲んでいる気がする、尿の量や回数が増えた気がする。
そんな方は、一度飲水量を測ってみてください。
そして、お気軽に病院へご相談ください。どのような病気も早期発見・早期治療が重要です。

看護師 木村 友亮

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