せんなん通信

寄生虫ってどんな虫?

2012.07.19

皆さんはワンちゃん、ネコちゃんの寄生虫を御存じですか?
ノミやマダニのように身体の表面に寄生する虫もいますが
身体の中に寄生する虫もたくさんいます。

今回は、おなかの中の胃や腸といった
「消化管」に寄生する虫についてお話します。

当院では、ワクチンを打つ際の健康診断時や
下痢で来院された時の検便で寄生虫がいないかを検査しています。
検便では寄生虫が直接見つかることもありますが、寄生虫の卵が見つかることもあります。
ここでは、代表的な寄生虫について、また予防法についてご説明します。

犬回虫(いぬかいちゅう)
猫回虫(ねこかいちゅう)
回虫犬回虫の成虫は9-18cmの黄白色で、ワンちゃんの腸に寄生します。
猫回虫の成虫は3-12cmの黄白色で、ネコちゃんの腸に寄生します。

成犬、成猫では通常は寄生していても無症状ですが、
幼犬、幼猫には大きな障害を与え、死亡することもあります。
回虫は成犬、成猫の体内では成虫になることはできず、
仔犬、仔猫の体内でのみ成虫になれるという不思議な特徴をもっています。
仔犬、仔猫の腸の中で成虫になった回虫が卵を産み、
糞便中に混ざって外界に卵が排出されます。
その卵をワンちゃんやネコちゃん、他の動物が摂取することで感染します。
また、妊娠しているワンちゃん、ネコちゃんが感染していると
体内を移動している子虫が、母体の胎盤を通して胎児の腸管に移動します。
これによって、生まれてくる子どもも感染します。これを、胎盤感染といいます。
<予防方法>
糞便は放置せず、すぐに始末しましょう。
そして、こまめに清掃や除菌を行い
ワンちゃん、ネコちゃんがいる場所を清潔にしておきましょう。
消毒剤などを使っても効果的です。
また、繁殖を予定している場合
その前に胎盤感染を予防するために子虫を確実に駆虫しておきましょう。
犬回虫は、人間にも感染する可能性があります。
虫卵が口からはいり、小腸で子虫になって、
腸壁からいろんな臓器にうつり、人体に障害をあたえます。
子犬との接触が多い、3~5歳の子供が感染しやすいので、注意しましょう。
<駆虫薬>
ドロンタールプラス(錠剤)ワンちゃんのみ
ドロンタール(錠剤)ネコちゃんのみ
<フィラリア予防薬で同時に駆虫できるお薬>
カルドメックチュアブル(チュアブル錠剤)
システック(錠剤)ワンちゃんのみ
レボリューション(滴下タイプ)ネコちゃんのみ

鈎虫(こうちゅう)
鉤虫
長さ1~2cmぐらいの白い虫です。
小腸に寄生して、小腸の粘膜にかみつき、血を吸って生きているので
ワンちゃんネコちゃんはひどい貧血、腸炎および、栄養不良となります。
とくに仔犬、仔猫に感染するとショック症状を起こし、死亡することもあります。
糞便とともに外界に排出された虫卵が
ふ化して子虫となり、おもに土の中で生きています。
その子虫がご飯や食器について口から腸に入り感染します。
また、子虫が皮膚や毛穴から体内に入ったあと、小腸に達し感染することもあります。
また、回虫と同じように胎盤感染の他に母乳からも感染(経乳感染)します。
<予防方法>
ワンちゃんネコちゃんの糞便は放置せず、すぐに始末しましょう。
そして、こまめに清掃を行い、ワンちゃん、ネコちゃんがいる場所を清潔にしておきましょう。
鉤虫の子虫は土の中でワンちゃん、ネコちゃんがくるのを待っています。
ほかのワンちゃんやネコちゃんの便などで汚染されているような場所はさけて散歩しましょう。
また、経乳感染あるいは胎盤感染を予防するには
妊娠する前に正しい駆虫をおこなうことが必要です。
<駆虫虫薬>
ドロンタールプラス(錠剤)ワンちゃんのみ
ドロンタール(錠剤)ネコちゃんのみ
ミルベマックス(錠剤)ネコちゃんのみ
<フィラリア予防薬で同時に駆虫できるお薬>
カルドメックチュアブル(チュアブル錠剤)
システック(錠剤)ワンちゃんのみ

鞭虫(べんちゅう)
便ちゅう
成虫は長さ5~7cmぐらいで、おもに盲腸に寄生して
貧血、腸炎、栄養不良などをおこします。
感染は、成虫が多数の卵を産み、便とともに外界に排出されます。
排出された卵は、2~4週間で、子虫をふくんだ成熟卵になります。
ワンちゃんがこの成熟卵に汚染された食べ物を食べたり
食器をなめたりすると、成熟卵が体内に入って感染します。
<予防方法>
ワンちゃんの糞便は放置せず、すぐに始末しましょう。
そして、こまめに清掃や消毒を行い、ワンちゃんがいる場所を清潔にしておきましょう。
消毒剤を使った消毒も効果的です。
ワンちゃんがつかっている寝床や毛布などは、定期的に掃除機をかけて、日光消毒しましょう。
<駆虫薬>
ドロンタールプラス(錠剤)ワンちゃんのみ
<フィラリア予防薬で同時に駆虫できるお薬>
システック(錠剤)

瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)
瓜実
成虫は長いものでは、50cm以上にもなる寄生虫です。
感染は、内部に8~15個の虫卵をもっと片節(身体の一部)が
ひとつずつちぎれて糞便とともに外界に排出されます。
排出された片節は、時間がたつと便の表面や肛門のまわりの毛についたまま乾燥します。
乾燥した片節(白いゴマの様な物)が破れ、内部の虫卵がまきちらされます。
この虫卵をノミの幼虫が食べると、虫卵はノミの体内で子虫に成長します。
ワンちゃんやネコちゃんが自分の体をなめたり噛んだりしたときに、このノミの成虫を飲み込むことで感染します。
こうして体内にはいった瓜実条虫の感染子虫は、小腸内で2~3週間後に成虫となります。
<予防方法>
瓜実条虫はノミがいないと感染しません。しっかりとノミ予防を行いましょう。
<ノミ予防薬>
フロントラインプラス(滴下タイプ)
レボリューション(滴下タイプ)
コンフォティス剤(チュアブル錠剤)ワンちゃんのみ
<駆虫薬>
ドロンシット(錠剤)
ドロンタール(錠剤)ネコちゃんのみ
ミルベマックス(錠剤)ネコちゃんのみ

寄生虫はいつ感染してもおかしくないものです。

下痢をした時に「少しおなかを下しただけだろう」なんて安易に考えないようにしてください。
どんな病気も早期発見が治療には最も大事です。
また、ご紹介した予防方法で予防する事ができますし
フィラリア予防のお薬で駆虫できるお薬もありますので
フィラリア予防と同時に定期的に他の寄生虫も予防しましょう。
また、瓜実条虫は、ノミの予防を行うことで感染を防げます。
ノミ、マダニの予防も忘れずに行いましょう。

看護士  木村 友亮

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