せんなん通信

ネコちゃんの排尿障害

2012.02.16

「先生、うちの子おしっこに血が混じってるんです!」
「昨日からおしっこが出てない気がします…」
冬場に入り、病院ではこのような飼い主様の声が多く聞かれる様になりました。
それもそのはず、
1年のうちで最もネコちゃんの尿の状態を気にしてあげる必要がある季節、
それは冬なのです。

たかが尿とあなどってはいけません。
排尿障害を放っておくと、
膀胱破裂や腎不全につながり、命を落としてしまう危険もあります。
今回はネコちゃんの排尿障害を引き起こす
猫下部尿路疾患についてお話します。

猫下部尿路疾患とは、特定の病気を指すものではなく、
ネコちゃんの膀胱や尿道に関係する病気の総称です。
 症状として、
  ①    血尿
  ②    頻尿
  ③    尿が出ない
  ④    排尿時に痛そうにする
  ⑤    トイレ以外の場所に排尿する
などが挙げられます。

原因としては、尿路に生じた結石や、
細菌の感染、または膀胱の腫瘍などが挙げられますが、
10歳齢未満の若いネコちゃんでは、
はっきりとした原因が分からない特発性膀胱炎が最も多く、
ネコちゃんの排尿障害の原因の半数以上を占めていると言われています。

治療方法ですが、
まず、尿が全く出ない子は緊急疾患となりますので、尿道を確保する処置をします。
排尿が認められている場合は最初に尿検査をして排尿障害が起こっている原因を探します。
その際にレントゲン検査や超音波検査が必要になる場合もあります。
原因が明らかになれば、その原因にあった治療を行います。

例えば、結石が生じた子には結石を溶かす処方食を食べてもらいます。
また、細菌の感染が認められれば、抗生物質を飲んでもらいます。
特発性膀胱炎の場合は1週間以内に症状が改善することがほとんどですが、
この病気は再発率が多いことが特徴ですので、治療と同じくらい予防が大切になります。

ここからは予防のお話です。
まず、一度結石が生じた子には結石を予防するご飯を与えます。
また、冬場は喉が乾かず飲水量が減る子が多いので
(これが冬にネコちゃんの排尿障害が多い理由です)、
飲水量を増やして排尿回数を増やすことも有効です。
そのために、食事を1日1回から2〜3回にして、
ドライフードからウェットフードに変更したりします。
また、新鮮な水を数箇所に置き、噴水式の給水器を用いるのもよいでしょう。

さらに、この病気にはストレスが関係していると言われているので、
ネコちゃんのストレスを減らす努力をしてあげましょう。
トイレを清潔に保つ、多頭飼いの場合はネコちゃんの数+1個のトイレを準備する、
様々な種類のネコ砂を試しネコちゃんの気に入る砂を見つけてもらう等がよいでしょう。

また、ネコちゃんが安眠できる場所を作り、爪をとげる場所を用意することも有効です。
遊び好きなネコちゃんは、おもちゃをつかってたっぷり遊んであげたり、
撫でられるのが好きなネコちゃんはゆっくり撫でる時間を作ったりと、
ネコちゃんのニーズを満たしてあげることも大切です。

ネコちゃんの排尿障害に関してわからない点、
不安な点があれば、いつでも当院の獣医師までご相談ください。

獣医師 河村 圭介

                      

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