せんなん通信

猫ちゃんにも大切、フィラリア症 Part2

2011.07.18

「フィラリア症」とは蚊によって媒介された犬糸状虫(フィラリア)が
体の中で徐々に成長しながら、肺動脈・右心系に寄生し、
咳・吸困難・血尿など様々な症状を引き起こす心臓病です。
もともとはワンちゃんに特有の病気として考えられていましたが、
予防医学の進展により、現在では少なくなってきています。
まだ完全にゼロというわけにはいきませんが…


さて、そんなフィラリア症ですが、
実は猫ちゃんにも存在することが近年分かってきました。

当院でも予防に対する啓蒙活動を行っていますが、
まだまだ猫のフィラリア予防は浸透していないのが現状です。
それは猫のフィラリア症が犬に比べて発症率が少なく、
診断も困難であることが問題となっているのではないかと思います。

しかし猫のフィラリア症は突然死などを引き起こすこともあり、生命を脅かす深刻な疾患です。
そのためには飼い主・獣医師・動物看護士などがこの病気に対する知識を深め、
予防を実践していくことが重要です。

今回は獣医師の視点から、症状・診断・治療について説明させていただきます。

症状
①  喘息(ぜんそく)(感染後3~4ヶ月)
  蚊の吸血によって侵入してきたフィラリアが肺動脈と呼ばれる血管へ移行します。
  それに伴い、肺の組織に急性の炎症反応が起こります。
  しかし多くの猫は免疫能力により、いったん回復します。

②  急性呼吸速拍症候群(フィラリア成虫が死滅した時)
死滅した成虫が変性することによって、肺に塞栓や炎症を引き起こします、
これが致死的な急性肺障害となり、突然死してしまうことがあります。

診断方法
・胸部レントゲン検査
・心エコー検査
・血清学的検査(抗体検査、抗原検査)
ワンちゃんの場合と違い、1つの検査だけで診断することは非常に難しく、
また複数回検査が必要となることもあります。

治療方法
外科的手術により、フィラリアを除去することが一番ですが、リスクが極めて高いです。
そのため無症状の際は定期健診をしながら、自然治癒を待ちます。
もし症状が出ている場合は、迅速な対応(抗炎症薬、輸液、酸素療法)が必要となります。

このように猫のフィラリア症は症状・診断・治療のすべてが難しく、
やはり予防が何よりも重要だと思われます。
ワンちゃんの飼い主様だけでなく、
猫ちゃんの飼い主様もフィラリア症について良く知り、しっかりと予防を行っていきましょう!

獣医師 平野 隆爾

こちらもお読みください。看護士が書きました
猫ちゃんにも大切、フィラリア症 Part1

PAGE TOP ↑