せんなん通信

痛みを取り除く治療 ~断脚~

2017.05.07

「足をひきずる、足を気にする、足が腫れている。」

このような症状がみられた際に、さまざまな病気が考えられますが、足に腫瘍ができていることがあります。

その際、私達獣医師は、その腫瘍が動物の苦痛の原因となっており、足を残してその腫瘍を取り除くことができない場合、治療のひとつとしてご家族に断脚を提案することがあります。

 

みなさん、「断脚」と聞くとどのような印象を受けますか?

海外の調査では、約9割のご家族が初めは断脚に対して強い抵抗があるようです。

おそらく日本でも同じなのではないでしょうか?

・断脚は痛く、そのせいで苦しむのではないか。

・3本足になると歩けなくなり、ねたきりになるのではないか。

・足を失ったことで動物に心境の変化があるのではないか。

このような不安をご家族はもっており、断脚に抵抗があるのかもしれません。

 

しかし、断脚は腫瘍などによる痛みを取り除くための治療であり、多くの子は1日2日入院することで痛みから解放されるため、断脚したことでその子が苦しんだり、心境に変化が現れることはありません。

その子の生活スタイルによる部分もありますが、多くの子が3本足でも歩いたり、走ったりすることができ、

不自由なく生活を送ることができます。

断脚

断脚2

この写真は、右の前足に腫瘍ができたため、足を断脚したわんちゃんの手術翌日の写真です。

このわんちゃんは、翌日には自分で立って歩くことができ、ごはんもいつもどおりに食べてくれました。

3本足に慣れるまでには数日~2週間程度かかりますが、写真に示すように多くのわんちゃんが手術後1日2日で痛みから解放されます。

 

もちろん、断脚をすることができない場合(後ろ足が麻痺している場合など)もありますので、

その子にとっての最善の治療が断脚なのかを私達獣医師も十分考える必要があります。

 

断脚が必要な病気に遭遇する機会はそう多くはないですが、いざ遭遇したときに上記の内容を十分説明し、

少しでもご家族の不安を取り除くことができるよう努めていきたいと思います。

 

獣医師 伊藤

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