せんなん通信

膝蓋骨脱臼について

2017.03.14

わんちゃんが歩いている時に、たまにケンケンするけどすぐに戻るということはありませんか?それは膝蓋骨脱臼かもしれません。

・膝蓋骨脱臼とは
膝蓋骨つまり膝のお皿は、元々太ももの骨にある溝の間にはまっています。膝蓋骨脱臼はその溝から膝蓋骨が外れる状態のことで、内側に外れる内方脱臼が一般的です。トイプードルやチワワなど小型のわんちゃんで多く見られます。

下記の図の左の〇が正常な膝蓋骨の位置です。右の〇が正常な位置から膝蓋骨が外れている状態です。

膝蓋骨脱臼画像

触診で診断され、脱臼の程度によって4段階に分けられます。
グレードⅠ:膝蓋骨は正常な位置にあり、指で押すと脱臼するが離すと正常に戻る。
グレードⅡ:膝蓋骨は不安定で、膝の曲げ伸ばしで脱臼したり戻ったりを繰り返す。
グレードⅢ:膝蓋骨は常に脱臼状態にあり、指で押すと戻せるが離すと脱臼する。
グレードⅣ:膝蓋骨は常に脱臼状態にあり、指で押しても戻せない。

・症状
症状が全くなく健康診断などで偶然見つかるものや、痛みを伴ったり、歩き方に影響が出るなど程度によって様々です。軽度であれば2~3歩足を上げて歩いた後に元に戻るといった“ケンケン”しているような歩き方をしたり、重度になると脱臼している方の足を挙げたまま歩いたりします。

・治療
痛みや歩き方に異常が無い場合は、太りすぎないよう体重管理、床を滑りにくくするなどの環境整備、こまめに足裏の毛や爪の処理をして膝に負担をかけないようにしましょう。また、サプリメントや療法食を用いることで関節を保護することも大切です。根本的に治療するには手術で膝蓋骨が外れないようにします。

重度の痛みや歩き方の異常がある場合、消炎鎮痛剤を使用して痛みを緩和してあげたり、関節炎の治療薬を用いたりします。症状がお薬で改善しない場合や再発を繰り返す場合、急に症状が進行する場合は手術による治療が必要になります。

体重の増減やグレードの進行、症状の悪化が無いかどうかを定期的にチェックし、適切な時期にすぐに治療が始められるようにすることが大切です。気になる症状などがみられる場合は、お気軽にご相談ください。

獣医師 沖田 歩

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