せんなん通信

外耳炎について

2016.07.21

首を掻いたり、頭を振ったり、首をかしげてみたり。そんな症状、ありませんか?これらは全て、耳を不快に感じている時の仕草です。

 

外耳炎は、様々な原因で起こる耳の病気です。一般的な症状としては頭を振ったり、耳を掻いたり、耳が臭うなどあげられますが、耳ではない首のあたりを後ろ足で掻いたりすることも多くみられます。これから暑くなりジメジメした季節に多くなる病気です。

 

外耳炎の原因は様々です。

マラセチア感染:マラセチアという真菌が増えることにより起こります。

1、細菌感染:細菌が増えることによる外耳炎ですが、その他の原因が存在する外耳炎の二次的な要因とも考えられます。

2、寄生虫感染:耳ダニ(ミミヒゼンダニ)の寄生により起こります。

3、異物:耳道内に異物が混入することにより炎症が起きます。

4、腫瘍:耳道内に腫瘍が発生することにより、耳道が閉塞されることで耳道内の環境が悪化し外耳炎を起こしたり出血を繰り返したりします。

5、アトピー性皮膚炎の一症状:耳垢が少なくても炎症が強く出ます。

 

一言で外耳炎と言ってもこのように原因が異なるので、しっかりとどのような原因で外耳炎が起こっているかの診断をつける必要があります。診断方法は、耳道内の観察と耳垢検査が主です。しかしこの時に強い痛みを抱えている動物は耳を見せてくれないこともあります。そんな動物を無理やり押さえつけて痛い耳に耳鏡を入れて耳を見るということはその動物にとっても非常に強いトラウマになってしまいます。そのような時には投薬で痛みを取り除いた後で観察・検査を行ったり、軽い麻酔をかけて行ったりします。その動物の状態や性格に合わせた方法を選んでいきます。麻酔をかけて診察する際には鼓膜の手前まではっきりと観察することのできるオトスコープ(耳の内視鏡)を用いて、飼い主さんにもわかりやすく説明することが可能です。

 

そして診断がついたら今度はその原因を取り除いていきます。主な治療法は耳道内の洗浄と投薬です。耳道の洗浄と投薬は大抵の動物が嫌がりますが、外耳炎を起こしていると特に痛みを感じるので痛みを取り除いてから洗浄するようにしたり、最近では一度洗って投薬すると1週間耳の中にとどまって効果を発揮するという薬もあるのでそれらをうまく使い分けて治療していきます。また、耳道内の毛が耳道の環境を悪化させてしまっている場合などは麻酔をかけてオトスコープを用いて鼓膜手前の毛を抜去し、原因の除去を行います。耳道内のポリープであればオトスコープを用いて除去することも可能です。但し、大きかったり深刻な腫瘍であれば更なる外科手術が必要になります。

 

このように「たかが外耳炎」の治療も、様々な方法で動物の負担を軽減しながら進めていくようにしています。

 

最後に外耳炎にならないようにするためには、やはり清潔な耳道内環境を整えることです。耳には自浄作用がありますが、シャンプーの後や1か月に数回は耳洗浄をしてあげてください。そして少しでも耳の違和感を気にするような仕草が見られたらすぐに来院し、その子にあった治療を受けてもらうことが大事です。早期発見、早期治療を心がけましょう。

 

獣医師 宮崎絢

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