せんなん通信

療法食ってなに?プレミアムフードってなに?

2015.06.04

現在、ペットショップやインターネットでは数多くのペットフードが販売されています。

昔は、動物病院でしか販売していなかった療法食まで買うことができます。しかし、どこでも買えて便利になる良いですが、実は食べ続けてはいけないご飯もあり、健康のために食べていたご飯で病気になってしまうことがあります。そこで、今回は病院で販売している療法食について、最近よく目にするプレミアムフードについて、良いご飯の選び方をお話させていただきます。

療法食という言葉は、健康なワンちゃん、ネコちゃんのご家族にはあまり聞き慣れない言葉だと思います。「療法食って一体何なの?」「売っているのは見たことがあるけどすごく高い!!」そう思われる方が多いのではないかと思います。

療法食とは、特定の病気などに栄養的に対処するために栄養バランスが考慮され、専門的なアドバイスや指示にしたがって与えることを意図したペットフードのこと言います。

一言でいいますと、食事療法の為のご飯が療法食なのです。

その為、本来は獣医師が病気の診断を行い、薬と同じように処方する物です。療法食を食べている間も、定期的に診察を受けご飯を変えたことで効果はあったのか?このまま、食べ続けても良いのかを判断してもらう必要があります。

実際に不適切な療法食の与え方をしてしまったため健康被害を起こしてしまったという報告もございます。いくつかその報告を紹介させて頂きます。

事例1

年齢不明の男の子のワンちゃんのお話です。

肥満のため、摂取カロリーを抑えるために、体重管理用の療法食を勧められました。フィラリア症の予防薬を受取った後、来院が途絶え、1 年後に再来院したときには、栄養状態も悪く痩せすぎている状態でした。原因としては、再来院するまでの間、体重管理用の療法食をホームセンターで購入し、体重や体型の変化に合わせた適切な食事量の調整が出来なかったことだと思われます。

 

事例2

6歳の男の子のネコちゃんのお話です。

ストルバイト結石(ご飯で溶かすことが出来る尿石)のため、ストルバイト結石を溶かすための療法食を与える事になりました。無事に結石を溶かすことができその後は、 再発防止用の療法食による食事管理を指示されました。その後、来院が途絶え、その間、ご家族の判断により、低マグネシウムと記載された一般のペットフードを給与したところ、 ストルバイト結石を再発してしまいました。もう一度、同様の食事療法を繰り返し、溶かすことが出来た後は、再発防止用の療法食により、再発防止が継続できています。

2つの事例以外にも事例が報告されています。おそらく、報告されているものは、動物病院で適切な指示をもらっていれば起こらなかったことだと思います。

病気の子にとって療法食はとても良いものですが、動物のご家族の独自の判断で与え続けたり、やめてしまったり、食べないから色々な物をトッピングしてしまったりすると食事療法としての効果を得る事が出来なくなってしまいます。必ず獣医師と相談しながら食事療法を行いましょう。

 

では、「うちの子は健康だからどんなご飯でも食べていたら良い!!」と考える方もいらっしゃると思います。しかし、市販されているご飯の中にもあまりお勧めできないご飯があります。お勧めできないご飯は、総合栄養食の認可を受けていないご飯です。

総合栄養食とは、AAFCO(全米飼料検査官協会)の分析試験による栄養基準、または給与試験に合格したご飯の事で、新鮮なお水と一緒に与えるだけで、それぞれの成長段階における健康を維持することができるように、理想的な栄養バランスに調節しているご飯の事です。健康な子には是非、総合栄養食を選んで下さい。

そこで、気になってくるのが近頃、ペットショップや、インターネットなどでよく目にする「ワンちゃん用のプレミアムフード」「ネコちゃん用のプレミアムフード」とはいったいどのようなご飯でしょうか?

プレミアムフードと聞くととても良いご飯な印象を受けますが、実はプレミアムフードには明確な基準はありません。一般的にプレミアムフードとして販売されているものは、安全性の高い原材料を使用していたり、添加物を使用せずに作られているなど、より質の高いご飯の事をプレミアムフードと呼んでいることが多いです。その分、高価なものが多いです。

決してプレミアムフードじゃないと病気なってしまう、長生きが出来ないということはありません。プレミアムフードは、ワンちゃんやネコちゃんの食の安全性を考え、理想的な食事を与えたいと願う動物のご家族にはお勧めです。また、体質的に下痢や嘔吐などを起こしやすい場合は、その頻度が抑えられることもあります。

 

プレミアムフードは高価なので手が出せないけど、少しでも良いご飯をあげたいと思われる方もいらっしゃると思います。では、どのようなご飯を選んだらよいのでしょうか?

ご飯を選ぶときのポイントとして

1. 総合栄養食である事

第一に栄養バランスの整った総合栄養食を選んでください。

2. 一か月で食べきれる量

大袋で購入すると割安にはなりますが、鮮度が落ちたご飯は味も悪くなり、肝臓にも負担がかかります。

3. 便の量が多すぎない物

良いご飯を食べると消化、吸収が良くなるため便の量が減ります。

4. 食べ続けると皮膚、被毛の状態が良くなってきます。

ご飯から体内に入った栄養素の約30%が皮膚に使われるため、良いご飯を食べていると皮膚、被毛も健康になってきます。(ワンちゃん、ネコちゃんの皮膚が古い物から新しい物に入れ替わるのに約21日必要です。)

このようなポイントを押さえてご飯を選んでいただきたいと思います。

 

最後に、当院でも様々なご飯を取り扱っています。健康な子のご飯の相談はもちろん、当院以外で療法食をご購入の方でも、様子がいつもと違う、ご飯を療法食にしたのに良くならない、そのような場合は、是非一度受診していただければと思います。

ご飯は毎日食べるものです。当院のスタッフと一緒に今一度ご飯を見直してみませんか?いつでもお待ちしています。

看護師 木村友亮

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