せんなん通信

猫ちゃんのお話

2015.05.01

呼んでも来ないけど、新聞を広げたらその上に寝転がって自己主張。
抱っこしたら爪を立てて飛び降りるくせに、時々足がしびれるまで膝の上を占拠。
マイペースで自由。忠誠心の強い犬とは違い、はっきりとした主従関係は存在しない。

そんな彼、彼女に心をすっかり奪われてはいませんか?
今日は、猫ちゃんのお話。

一昔前まで、家ネコ10年、野良ネコ5年と言われていた猫の寿命ですが実際のところはどうなのでしょうか。
猫は犬のような届け出制度がないので調査は困難ですが、日本ペットフード協会が2013年に発表した日本の猫の平均寿命は15.01歳でした。
犬の寿命が伸びているのと同じように猫の寿命もまた伸びているのです。

高齢の猫にみられる病気には、腎臓病や心臓病、糖尿病などの内分泌(ホルモン)疾患、便秘、関節疾患、腫瘍などがありますが、どれも劇的な症状が急に起こるものではありません。何となく若いときに比べて寝てる時間が増えた、食べる量が減った、高いところに飛べなくなった、トイレを失敗することがある、と言った、「いわゆる老化」で片づけられてしまいそうな変化の中に大きな病気の徴候が隠れていることが多いのです。また、猫だけでなく、人以外のすべての生き物は自分が病気であることを隠します。だから人が「何かいつもと違う。おかしい!」と気づくときには病気はある程度進行していることが多いのです。
だからこそ、小さな変化にいち早く気づき病気の治療を開始することは非常に重要であり、治療が奏功するかどうかのカギとなります。
特に体力の衰えた高齢の猫では病気の進行は早く、1日放っておくのは人では病人を何日も放置することと同じです。

10歳を超えた猫ちゃんにしてあげてほしいこと。

○定期的におしっこの検査を!
おしっこは健康のバロメーター。
おうちでおしっこをとって病院に持ってきてもらうだけで、様々なことがわかります。
腎臓病や膀胱炎になっていないか、糖尿病の徴候はないかなど。

○定期的に血液検査を!
病院で採血をして血液検査を行うことでさらにたくさんのことがわかります。
貧血はないか、腎臓病や肝臓病、糖尿病や高齢猫で多い甲状腺疾患などの有無。
せめて1年に1回、高齢の猫ちゃんでは4~6か月に1回の血液検査をおすすめします。
まずはワクチン接種時などのついでに血液検査ををしてあげてください。

○定期的に健康診断(にゃんにゃんドッグ)を!
画像診断(レントゲン検査や超音波検査)や眼底検査(目の瞳の奥を詳しく調べること)、
血圧測定などを行うことで、病気の初期症状を発見したり、病気の進行度をチェックすることができます。
高齢の猫ちゃんでは1年に1回は受けさせてあげてください。

○温度差に注意!
猫は寒さに弱く暑さには強いイメージがあると思います。
しかし高齢の猫ちゃんや病気の猫ちゃんでは体温調節がうまくできなくなることもあります。
極端に寒い、暑いなどは避けてあげてください。

○飲水量に気を配って!
猫ちゃんに多い腎臓病や、腫瘍の場合に水の飲む量が増えることがあります。
いつもより水を飲む量が多い、おしっこの量・回数が多いなどは病気の徴候の可能性があります。
気になった場合はまずおしっこ検査を受けましょう。

病院では猫ちゃんにあった検査方法を提案し、診断・治療を行っていきます。
ですが、何より大切なのは、毎日一番近くで猫ちゃんをみているあなたが、猫ちゃんの異常に気づき病院に連れてきてもらうことです。
飼い主であるあなたが猫ちゃんにとって、最も身近で、最も信頼できるドクターであるということ、忘れないでください。

獣医師 宮崎絢

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