せんなん通信

わんちゃん・ねこちゃんの肥満

2020.08.07

ぽっちゃりしたかわいい体型、おやつをおねだりしてくる愛らしい姿…ついついあげてしまいますよね。
私も獣医でありながら「〇〇ちゃんかわいいね!」と言ってついあげてしまいます。
院長に「長尾がそうやって甘やかすから痩せへんのや!」と怒られたことも…(苦笑)

ですが現在、動物病院に来院するわんちゃん・ねこちゃんの約半数近くが肥満だと言われており、大きな問題の一つになっています。

肥満のリスク
肥満のリスク肥満は適正体重の子に比べて、呼吸困難、心臓病、胆石などの胆嚢疾患、皮膚病、糖尿病、椎間板ヘルニアや関節炎・靭帯の断裂などの骨関節疾患、尿石や膀胱炎など、非常に多くの病気に繋がる危険性があります。また、全身麻酔が必要になった場合も、そのリスクが増してしまいます。夏場は熱中症のリスクも…。

うちの子は肥満?
まずは、うちの子は肥満じゃないかな?肋骨が触れるか、お腹のくびれはあるか、見てみてください。肋骨が触れない!くびれがない!…それは肥満です。
自宅で体重を測ることも可能です。ご家族が動物を抱っこして体重計に乗り、その後自分の分の体重を引けば、動物だけの体重がわかります。同時に自分もわかります…。

肥満対策
では、おうちでできる肥満対策は何でしょう。
わんちゃんねこちゃんのダイエットは、主に食餌療法になります。
1.一つはごはんです。ご飯の種類によってカロリーも様々です。どんなごはんを、どのぐらい食べているのか見てみましょう。ただし、太っているからといってただ減らせばいいというわけではなく、減らしすぎると栄養不足に陥ってしまう可能性もあります。
2.二つ目はおやつです。ついつい与えすぎていませんか?おやつ一つでも、動物の体は小さいので、私たちが思っている以上のカロリーが含まれています。1日でどれぐらいのおやつを食べているのか、見てみましょう。

実際はご家族が肥満に気付かれていない場合も多く、来院時に肥満を指摘されて初めて知るということも非常に多いです。
肥満なのかわからない場合は、一度ぜひ動物病院へ!
食生活をどう変えていったらいいのかも、相談してくださいね。その際にはぜひ、今食べているごはんをご持参ください。その子にあったおすすめのフードをご紹介します。
肥満対策をすることで、大切な家族の健康を維持し、たくさんの病気から守ってあげましょうね。

また、現在当院ではロコモティブシンドロームキャンペーンを実施中です♪
ロコモティブシンドロームについてはこちらをごらんください。
肥満とロコモは、とても密接な関係があります。
関節炎や筋肉の低下、隠れた痛みはないですか?チェックしてもらいましょう!

ちなみに我が家のコロンは、夏なので毎年のごとく痩せていますが…
缶詰食べて、モエギキャップ飲んで、まだまだ頑張ります!

獣医師 長尾

慢性腎臓病について

2019.11.06

前回もご案内しましたが、当院ではただいま健康診断のキャンペーンを実施中です。
肥満度や歯周病、皮膚病、胆泥症、皮膚や臓器のできもの、ホルモンの病気(甲状腺機能亢進症やクッシング症候群など)…健診にて新たに病気が判明したワンちゃん・ネコちゃんもいます。
その中でも出会うことの多い、慢性腎臓病についてお話ししたいと思います

<そもそも腎臓の働きって?>

腎臓は、血液を濾過し、余分な老廃物や塩分を取り除き、不要となったものを尿として体の外に排出しています。
その他にも、尿の濃さを調節して体の水分量を保つ・血圧を調節する・ホルモン生成など、重要な働きをしています。

<慢性腎臓病とは?>

実は様々な原因がありますが、共通しているのは、少しずつ腎臓の機能が低下していく病気だということです。そして、慢性的に失われてしまった腎機能が回復することはありません。悪化していくことで、尿毒症と呼ばれる、体から毒素を排出できなくなってしまう状態を引き起こし、最終的に死亡してしまいます。
※つまり、慢性腎臓病では、早期に腎機能の低下に気づき、進行をいかに遅らせてあげられるかが重要になってきます。

<注意する症状は?>

食欲低下、体重減少、脱水、嘔吐、水をよく飲む、尿の量が増える、などの様々な症状が認められます。このような症状は見落としてしまいがちで、発見された時には腎臓は残り1/3の機能しか残っておらず、ある程度まで進行してしまっていることが多いです。

<必要な検査>

血液検査、尿検査、レントゲン・超音波検査などを組み合わせて診断します。
腎臓病の早期発見に重要なのが尿検査で、尿が薄くなっていることは、血液検査よりも先に異常として認められることが多いです。また、外部の検査会社に委託して調べる血液検査にて、さらに早期に腎臓病を発見できることもあります。
また、高血圧や蛋白尿、脱水具合など、腎臓病をさらに悪化させる因子が存在していないかも定期的に確認していくことが重要です。

<治療>

慢性腎臓病の治療の目的は大きく二つあります。
①進行を遅らせる
代表的なものが食事療法です。腎臓病のために作られた食事に変更することで、進行を遅らせることができるとわかっています。
ただし、むやみに食事療法を始めてしまうと、筋肉が減りさらに痩せてしまう、脱水が進行してしまうなど、状態が悪化してしまう可能性もあるため、獣医師の指導のもと食事療法を始めていきます。
他には、活性炭やリン吸着剤の投与などがあります。
②症状を抑える
脱水や嘔吐など、実際に認められている症状に対して、皮下点滴や吐気止め・胃薬の投与などを行っていきます。

慢性腎臓病についてお話しをしてきました。
早期発見・早期治療には、早期検査が重要です!
健康診断のキャンペーンは11月いっぱいまでです。
腎臓病のチェックの尿検査は、朝一番の尿での検査がおすすめです。
詳しくは病院スタッフまでお声がけください。

ちなみに…私の実家にいるコロンも、腎臓病・甲状腺機能亢進症で治療中です。
なんだか痩せてきたな…ということで、近くの病院で健康診断をしていただき、見つかりました。
投薬と食事療法で治療中です。
たまに薬をプッ!と吐き出します。廊下に落ちていることもあるんだとか。
毎日お薬を飲ませようと闘ってくれている母に、感謝です。

獣医師 長尾

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