せんなん通信

涙やけ(流涙症)について

2020.05.13

今回は涙やけについてのお話です。
涙やけとは、涙が目の外に流れ続けることで、周りの毛が茶色や黒色に変色してしまう状態のことです。
涙やけは、美容的な問題ももちろんですが、涙が流れる部位に皮膚炎を起こしたり、目の表面の角膜に障害を引き起こすことがあります。

涙やけになりやすい犬種は?

トイ種やパグやシーズなどの短頭種です。
特にマルチーズやプードルなどの被毛が薄い色の子が目立ちやすいですね。
困っておられる方も多いのではないでしょうか?

涙やけ(流涙症)の原因は?

涙が流れ続ける症状を流涙症といいますが、流涙症には大きく分けて3つの原因があります。

1.涙が増えている
異物やまつげによる刺激、結膜炎や角膜潰瘍などの眼の病気によって、涙が過剰に分泌されていることが原因となります。
食物などによるアレルギーで、瞼や結膜に炎症が起こっていることが原因の場合もあります。

2.涙を目にとどまらせておくことができない
涙は目の表面を覆い、角膜を守り、栄養を与える役目をしています。
涙を目の表面に保持することができなくなると、角膜が乾燥し、刺激となり涙の分泌が増加します。
眼瞼の構造的な異常や、目の内側の毛が目の表面へ接触し、涙が毛を伝って流れ出ることが、これを引き起こします。
またマイボーム腺の機能不全も原因の一つです。

3.涙をうまく排泄できない
涙の一部は、涙点という入り口から鼻涙管という管を通って、鼻に抜けていきます。
この通り道のどこかに異常があり、うまく排泄できなくなると、涙は目からあふれていきます。
先天的な異常や急性の炎症など原因は様々です。

涙やけの予防法は?

涙やけの症状を抑えるには、まずこまめな手入れを行うことが必要です。
涙でぬれた被毛を毎日優しくふき取ってください。専用のローションを使用するのもいいでしょう。
眼周りの毛が刺激にならないよう、短くカットしておくのも大事です。

また根本的な解決には、流涙症を引き起こしている原因を調べ、治療することが大事になってきます。
原因によって点眼治療や食事療法、外科的手術が必要になります。

当院では、眼科専門病院(どうぶつ眼科専門クリニック)と連携を取り、診療にあたっていますので、涙やけでお困りの方は、お気軽に獣医師にご相談ください。

獣医師 伊原

犬の緑内障のおはなし

2019.06.12

犬の目が赤くて、痛そうな時、すぐに病院に連れていっていますか?
目にゴミでも入ったかな?
ちょっと様子をみたら治るかも。
・・・そんな風に思っていませんか?
その症状、もしかしたら緑内障かもしれません。
人間同様、緑内障は失明する可能性のある怖い病気です。
今日は緑内障についてのお話です。

緑内障とは?

眼球の中を循環している眼房水(がんぼうすい)が何らかの理由で溜まることにより、眼内の圧力(眼圧)が上昇し、網膜や視神経が影響を受け、視覚障害や眼に痛みをおこす病気です。
日本では緑内障は柴犬、アメリカンコッカースパニエル、シーズーに多いといわれています。
原因によって、原発性(生まれつき、眼房水の排泄に異常がある場合)と、続発性(ブドウ膜炎、水晶体脱臼、外傷や腫瘍などが原因で起こる場合)に分けられます。

症状は?

緑内障の症状は眼圧上昇の程度により様々で、最初に起こるのは、結膜炎・上強膜炎による充血、目の痛み(目を細めて、涙を流している)です。また視神経に障害を受けると視野が挟まり、散瞳(瞳孔が開きっぱなしになる)します。また眼圧の上昇が続けば、眼球突出(牛眼)し、視神経は取り返しのつかない障害を受け、最後には失明します。

診断するには?

緑内障の診断には、眼圧の測定や眼底検査が必要で、原因の特定には各種眼科検査を行います。

治療は?

治療は眼圧を制御するための投薬(点眼)が主になりますが、場合により外科的治療も行います。また続発性緑内障の場合、原因疾患も治療します。
慢性的な緑内障で、すでに失明している場合、治療の目的は眼の痛みや不快感を和らげることを重視します。そこで眼球が拡張し起こってくる角膜炎や不快感を減らすため、また緑内障の治療を終了するために、眼球の摘出や、眼球内シリコンボール移植術(眼内の義眼)を行うことになります。
原発性緑内障であるならば両眼に発生するため、正常眼に対しても予防的治療を開始したほうが正常眼の発症時期を遅らせることができます。

緑内障は早期発見、早期治療がとても大事です。
気になる眼の症状がある場合は、お近くの動物病院を受診してください。

獣医師 伊原宏美

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