せんなん通信

動物病院での猫のストレスについて

2019.09.24

猫と動物病院の関係を考える時、「ストレス」という言葉は切っても切り離せないと言えるでしょう。
猫を動物病院に連れていくという行為は、猫にとって、そしてご家族にとっても非常に大きなストレスになります。
今回は動物病院での猫のストレスについてお話しさせていただきます。

なぜ動物病院が猫にとってストレスになるのか。

猫はもともと知らない場所や、知らない人と接することが苦手な動物です。
近年では、環境省の推奨や、猫の飼育モラルの向上から、いわゆる完全室内飼育の猫が増えてきています。
また外出する猫であったとしても、自分のテリトリーの範囲の中で生活をしていることがほとんどでしょう。
そんな動物が自分のテリトリー外に連れ出され、知らない人である獣医師や、動物看護師に接するがストレスになることは当然のことになります。

動物病院の受診にあたりストレスが猫に与える問題

 ●体調不良の原因になる。
 ●正確な診断がしにくくなる。
これらの問題を防ぐためにもストレスを軽減させる工夫が必要となります。

猫のストレスを軽減させる工夫

<動物病院ができること>
当院では新病院に移転してから、犬用待合スペースとは別に猫用待合スペースを設けています。
猫は犬のニオイや声、また目の前に犬が通るなどといった事で、不安感や警戒心などのストレスを抱えてしまいます。
少しでもストレスを感じないようにするためにも待合室の空間を分けています。

<待合スペースでできること>
待合スペースでは、床にキャリーケースを置くと、猫にとっては目の前に人の足がたくさん通ることでストレスを感じる原因となります。
椅子の上にキャリーケースを乗せてあげましょう。
また、家のニオイのついたタオルを持参し、キャリーケースを覆ってあげましょう。
タオルでキャリーケースを覆うことでストレスの緩和に繋がると言われております。
お忘れの際には、当院の猫専用待合スペースにも猫用バスタオルを常備しておりますので、そちらもご利用ください。

<来院前にできること>
●キャリーケース選び●
今では様々な形状のものが販売されていますが、おすすめは前面と上面が開き、上半分が取り外し可能なプラスティック製のものです。

このキャリーケースはご家族が猫をキャリーケースに入れやすいだけではなく、診療もしやすくなります。

例えば、怖がっていたり怒っている猫の場合、キャリーケースの中から無理に引っ張り出さなくても、
写真のように、上面を外すだけで身体検査等が可能になります。

さらに災害時でも軟らかいキャリーケースと比較すると多少は丈夫となります。

●キャリーケースに慣れる●
また動物病院に行く時のみキャリーケースを使用すると、キャリーケースを見るだけで嫌な思いが蘇りストレスがかかってしまいます。
できるだけ普段からキャリーケースの中にベッドなどを入れ落ち着ける環境を作ってあげたり、中でおやつをあげたりして慣れさせるとよいでしょう。
キャリーケースに慣れる練習は、子猫の時期から行うことをお勧めします。

●病院に慣れる●
いざ予防注射や病気の治療や検査で来院すると、どうしても怖い気持ちになってしまいます。
当院では体重チェックを無料で行っております。
体重を測りに来ていただきスタッフからご褒美をもらったり、撫でてもらうことで、少しずつ病院にも慣れストレスを軽減できます。

ご家族の都合や猫の性格によっては来院が難しい場合もあります。
その際は無理に来院せず、お電話などでご相談ください。往診等のご提案も可能です。

ご質問等ございましたら、いつでもスタッフまでお声掛けください。

看護師 永田

熱中症とは

2019.08.23

立秋を過ぎたとはいえ、まだまだ猛暑が続きますね…。
お外に出ている時や、激しい運動をしている時だけでなく、室内にいる時もわんちゃんは暑さに敏感で、実は熱中症の発症は6割以上が室内です。
わんちゃんを熱中症から守るため、どんな症状が出るのか、熱中症になりやすいタイプをもう一度おさらいしておきましょう。

熱中症とは、気温の高い所や激しい運動によって、異常に体温が上がってしまう病気です。
人は汗をかいて全身から熱を逃がすことができます。
しかし、わんちゃんは肉球と鼻にしか汗腺がなく、体温調節はほとんどパンティング(舌を出してハァハァと呼吸し、その気化熱で体温を下げる)でのみ行われるので、もとより熱がこもりやすい体の作りになっています。

⚠症状⚠
<初期症状>
⚠大量のよだれが出る
⚠舌を出してハアハアと速く苦しそうに呼吸をする
⚠眼や口の中などの粘膜が充血している
高体温状態が長く続けば続くほど、体の中では目に見えている以上に様々な症状が進みます。
このような状態になると、命に関わることもあります。

<症状が進行すると>
⚠ふらつく、立てない、ぐったりしている(重度脱水、ショック状態、全身性の感染症)
⚠血便、血尿が出る(血液を固める機能に異常が起こり、出血が止まりにくくなっている)
⚠けいれんが起こる(脱水による電解質異常)
熱中症の治療はなによりスピードが重要です。初期症状が見られた時点ですぐに病院で診てもらいましょう。

⚠熱中症になりやすい子⚠
 ・短頭種 (鼻の穴や気道が狭く、呼吸しづらいため熱を逃がすのが苦手。また、他の犬種以上に呼吸にエネルギーを使うので体温が上昇しやすい。)
 ・肥満 (脂肪でおおわれているため、熱が体表から逃げにくい)
 ・性格 (興奮しやすい、何かに向かって吠え続けるような性格の子は体温が上がりやすい)
 ・心臓病がある (利尿薬を服用している場合、脱水になりやすい)
 ・てんかん発作によるもの (筋肉のけいれんは熱を産生する)
上記にあてはまる子は特に気を付けましょう。

暑さ指数を活用しよう

夏の間は冷却グッズを使用したり、朝早くにお散歩に出ている方を見かけます。
わんちゃんの暑さ対策もかなりメジャーになってきているのではないでしょうか。
さらなる対策として、環境省から出される暑さ指数もチェックしてみてください。
暑さ指数とは、➀湿度 ➁日射・輻射などの周辺の熱環境 ➂気温などから算出される、人体と外気との熱のやりとりに注目した指標です。
人では暑さ指数が高いほど熱中症発生率も高まります。
日差し(紫外線)が強い日では、エアコンをつけた室内にいても、日差しのあたる場所にいることで熱中症になることがあります。
また、呼吸で体温調節をするわんちゃんにとって、湿度も熱中症を引き起こす大きな要因となります。
ぜひ、気温だけでなく暑さ指数も参考になさってください。

看護師 道下なつ

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