せんなん通信

夏本番、動物たちの暑さ対策は大丈夫?

2018.08.05

こんにちは、動物看護師の木村です。
夏本番と言えるこの時期、キャンプやマリンスポーツなど外でのイベントごとがたくさんあり楽しい時期ですが、
今年は本当に暑い!外に出るのが嫌になるほど暑い!楽しみも半減にしてしまうくらいです。
この暑さのためか例年以上に熱中症対策がテレビなどで伝えられています。
そんな中でも動物たちの熱中症対策はあまり伝えられていないのが悲しい事実です。
ニュースなどで報じられる熱中症に関して、成人より高齢者・子供の方が熱中症になりやすいとは言われていますが、実は高齢者や子供よりも体も小さい動物たちの方が熱中症になりやすく、さらに人と同じように子犬・子猫、老犬・老猫の方が熱中症になりやすいと言われています。
なぜ、人よりも動物たちの方が熱中症になりやすいのか?
体の大きさもですが、人より地面の近くで生活しているため、地面からの熱を直接受けてしまいます。
そのためこの時期、ワンちゃんの散歩を昼間に行くのはとても危険です
このように体の大きさや人との生活スタイルの違いなどから熱中症になりやすいと言われています。
また、動物たちは「暑い!!」と言葉では訴えることが出来ないため熱中症の症状がみられてからご家族がはじめて「暑かったんだ。」と気づく事があります。

このような事を少しでも知って頂き、日ごとの動物たちとの生活に注意を払っていただければと思います。
また、ワンちゃん・ネコちゃんの中でもさらに熱中症になりやすい特徴があります。

熱中症になりやすい犬種・猫種、特徴
◆北国出身の動物たち
犬種:秋田犬、シベリアンハスキー、アラスカン・マラミュートなど
猫種:メインクーン、ノルウェージャンフォレストキャットなど
寒い地域が原産のため被毛は厚く、夏は苦手です。

◆鼻ペチャは体温調節が苦手
犬種:パグ、シーズー、フレンチブルドックなど
猫種:ペルシャ、ヒマラヤンなど
ワンちゃん・ネコちゃんは人と違い汗をかくことで体温調節を行いません。
ワンちゃん・ネコちゃんは呼吸で体温調節を行っています。鼻ペチャの子たちはもともと鼻の穴が狭かったり、のどの奥の軟口蓋という部分が長かったりと呼吸がしづらいため、熱中症のリスクが高くなります。

◆持病がある動物たち
重度の心臓病や呼吸器系に病気がある場合は熱中症になりやすく、肥満傾向にある場合も熱中症になりやすいと言われています。
また、一度熱中症になると体温調節が苦手になることがあります。

◆子犬・子猫、老犬・老猫
成犬・成猫に比べると体力が少ないため、熱中症になりやすいと言われています。
こちらは人も同じですね。

これらの特徴に当てはまる場合は他の子に比べると熱中症になりやすい為、十分に注意しましょう。

それでは、熱中症にならないために出来ることは何があるでしょうか?
「水分補給を行い、暑さ対策を行う。」人の熱中症予防でよく耳にすることですが、動物たちの場合はこれらのポイントに注意しましょう。

熱中症にならないために出来ること
◆出かける時はエアコンで室内を涼しく
動物たちはどうしても留守番が多くなります。暑さが厳しい時期には、閉め切った室内は40℃近くまで上がることもあります。ここまで、室温が上がるととても危険な状態です。理想は動物たちのためにエアコンをつけて出掛けることです。
屋外の場合は、風通しの良い所で日陰を作るなど涼める場所を作ってください。

◆散歩に出かけるのは涼しい時間帯に!
真夏のアスファルトは50~60℃にもなると言われています。熱中症にならなくても肉球を火傷してしまう事もあります。朝や夕方、夜などアスファルトの温度が下がってから散歩に行きましょう。散歩に行く前に手でアスファルトを触ってみるのも温度を知るポイントです。

◆車中で留守番は絶対に禁止!!
JAFが行って実験で気温35℃の日中に30分間車を炎天下に置いた場合室温は45℃まで上昇したという結果が出ています。また、同様の実験で窓を3cm開けた場合でも30分後には40℃まで室温が上昇したという結果が出ています。わずか30分でも体温以上に室温があがってしまうので短時間だから大丈夫とは絶対に考えないでください。
また、エンジンをつけたままなら大丈夫だろう!と考える方もいらっしゃいますが、ワンちゃんが普段慣れない車中に一人でいると不安になり、パニックを起こすことがあります。車中で暴れてしまいエンジンが切れてしまった場合はとても危険な状態になってしまいます。

これらのポイント以外にも、人と同様にしっかりと水分補給が出来るようにいつでも水が飲める環境を忘れないようにしてください。

熱中症対策をしっかりと行い、熱中症にならないようにする事が最も重要ですが、
もしも、次に挙げる症状が見られた場合は熱中症の可能性があります。すぐに動物病院に連絡してください。

●体を触ると熱い
●下痢
●嘔吐
●ふるえ
●意識がない

熱中症は命にかかわるとても危険な状態です。「少し様子をみてみよう。」がさらに症状の悪化を招くことに繋がります。
「いつもと少し様子が違う」、「何かおかしい感じがする」いつも一緒にいるご家族がこのように感じる場合は、動物たちの体に異変がある可能性が十分にあります。すぐに動物病院へご連絡してください。早期発見が命を救うことに繋がります。

熱中症対策をしながら、暑い夏を楽しく乗り切りましょう!

動物看護師 木村

椎間板ヘルニア

2018.07.04

急に歩き方がおかしくなった、抱っこしただけでキャンとなく、急に食欲がない…

そんな症状に心当たりはありませんか?
もしかしたら椎間板ヘルニアかもしれません。

椎間板ヘルニアとは?

首から腰にかけて、背骨は短い骨がいくつも並んでいます。
その骨と骨の間には椎間板物質というものが存在し、クッションのようになっています。
また、背骨の中には脊髄という大きな太い神経の束が通っています。
201807-04
何かの拍子に椎間板がはみ出て、脊髄を圧迫することを椎間板ヘルニアといい、痛みや脚の麻痺などの症状が現れます。
201807-03
首、背中、腰どの部分でも起こり、部位によって症状の出る場所が違ったりします。

ダックスフントやWコーギーなど、いわゆる胴の長い犬種に多い病気ですが、
シーズー、ビーグル、パピヨンなど様々な犬種で認められます。

症状による分類
グレード1 痛み
グレード2 歩様がふらつく
グレード3 歩行ができない
グレード4 皮膚感覚の消失、排尿排便困難
グレード5 骨の痛みの消失

グレード1~3程度の軽度のものであれば内科療法で改善することが多いですが、
歩行困難になっているグレード3以上では外科治療が必要になることも多いです。

どんな検査が必要?

身体検査、神経学的検査(手足の動かし方などの反応をみる)、レントゲン検査(骨折や脱臼がないか)を行い、痛みの場所の特定や緊急性の有無を判断します。

他に同様の症状の病気もあるので、本当に椎間板ヘルニアかどうかの確定は全身麻酔下でCTやMRIをとる必要がありますが、軽度の場合は試験的に内科療法を行うこともあります。

内科療法で改善しない場合やグレードが重度で手術が必要な場合はCT、MRIを撮影し、ヘルニアが起こっている場所の特定をします。

治療

内科療法(手術しない方法)
・絶対安静:ケージレストといい、行動範囲をわんちゃんの大きさ+1~2歩程度の広さに狭くします。
・体重管理:太っている方が発症しやすいです。おやつ、ご飯を減らす、減量用のご飯に変更するなどの対策をしましょう。
・鎮痛剤:食欲が落ちるほど痛い場合は鎮痛剤を使用します。ヒト用の鎮痛剤は絶対使用しないでください。
他にはビタミン剤やサプリメントを使ったり、レーザーで回復を補助します。

外科療法(手術)
何度も再発する場合や内科療法で回復が見込めない場合、グレードが重度の場合は手術で圧迫されている部分を解放します。

さいごに

内科療法で改善後も30~40%が再発するといわれています。
一番の予防は太らせないようにすることです!
段差の上り下り、抱っこの仕方なども気を付けて腰に負担をかけないようにしましょう。

また、重度のものではまれに、進行性脊髄軟化症という命に関わる病気になってしまうものもあるので、症状がある場合は必ず病院で診てもらいましょう。

獣医師 沖田

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