せんなん通信

チョコレート中毒について

2020.02.18

<チョコレート中毒とは>
チョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインなどのメチルキサンチンの過剰摂取によって生じる中毒です。
チョコレートの種類によって含まれるメチルキサンチンの量は異なます。

<チョコレート中毒の症状>
摂取後早期(1-2時間)では落ち着きの消失や活動性の亢進が認められ、摂取後2-4時間で嘔吐や下痢といった消化器症状が認められるようになります。
重度の場合は痙攣や筋肉の痙縮が起こり死に至ることもあります。
ほかにも高体温や多尿、頻脈や呼吸数増加が認められることがあります。

<どれぐらい食べたら中毒になるの?>
ミルクチョコで考えると、軽度な異常は体重1kg当たり10g程度を摂取すると認められ、30g摂取すると痙攣などの神経症状を引き起こします。
また犬では体重1kg当たり50-100g、猫では40-75g摂取してしまうと半数は亡くなってしまいます。
つまり体重5kgの犬であれば、50gのミルクチョコレートを食べると異常が出るかもしれないということです。
体重に対するチョコレートの量の問題から小型犬の方が重篤になることが多いです。
またダークチョコやカカオ含有量の高いチョコレートでは、より少ない量で中毒になるので注意が必要です。

<治療>
摂取後2-4時間以内であれば催吐処置による汚染除去を行い、中毒性物質の吸着剤の投与を行います。
チョコレート中毒に有効な解毒薬は存在しないため、対症療法(出ている症状に対する治療)を行い動物を支持してあげることになります。

<最後に>
チョコレート中毒は盗食が原因となることが多いです。
私たちにとってはご褒美でも犬猫には毒になるのでしっかりと管理して大切な家族の安全を守りましょう。

獣医師 三田 良太郎

マダニによる予期せぬ感染症~バベシア症~

2019.02.20

バベシア症とは?

バベシア症とは、マダニが運ぶバベシアという原虫によって引き起こされる感染症です。
バベシアは、犬の赤血球に住み着き、これを壊してしまうため、貧血を引き起こします。
貧血により、食欲や元気が落ちてしまうことはもちろん、発熱や黄疸、赤い尿が出てくることもあります。
貧血がさらに進むと命に関わることもあり、とても怖い病気です。

治療薬として、バベシアの駆虫薬はありますが、100%効果がある薬は開発されておらず、もし駆虫薬が効かなかった場合、現時点で治療法はありません。
また、薬の効果がでてくるまで少し時間がかかるため、その間に輸血が何回も必要になったり、亡くなることがあるのが現状です。
さらに、一度貧血の症状が改善されたとしても、バベシアを完全に犬の体から駆虫することは難しく、何かのきっかけで症状が再発することもあります。
このように、バベシア症になってしまうと、治療が困難になることが多いため、バベシア症にならないようにすることが大切です。

バベシア症の予防

バベシア症を予防するためには、1ヶ月に1回マダニを予防できる薬を使用します。
この予防薬の投薬により数十時間~数日でマダニは死亡します。
皮膚につけるタイプのものからおやつ感覚で食べられるものまで、様々な種類の予防薬が発売されていますので、犬の性格に応じて選ぶことができます。
ただ、マダニが寄生してから予防薬が効くまでに少し時間がかかります。
マダニがたくさんいる公園の草むらや山の中などに連れて行った場合、マダニが犬の体表についてしまいバベシアが体内に入ってしまうこともあります。
予防薬を使用していればマダニは数日以内に死亡しますが、マダニがつきそうな場所へのお散歩を避けることです。
マダニには季節性はなく年中ついてしまう可能性があり、特に春から夏にかけては要注意です。
また、マダニは人にもSFTSと呼ばれる重篤な感染症を引き起こしますので、ご家族も気を付けましょう。

フィラリア症と同じくとても怖い病気ですが、予防していれば高確率で感染が防げる病気です。しっかり予防して愛犬とのお散歩を楽しみましょう!

獣医師 松本理沙

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