せんなん通信

フィラリア症について

2020.04.29

暖かい日が多くなり蚊を見かける時期になってきましたね。
みなさんはフィラリア症についてご存知ですか?
ワンちゃん特有の病気と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はネコちゃんにも感染してしまう病気です。
まずはワンちゃんのフィラリア症についてお話します。

ワンちゃんのフィラリア症とは?
フィラリア症とは蚊が運んでくる病気です。
フィラリア症に感染しているワンちゃんの血液を蚊が吸って蚊の体内にフィラリアの幼虫が入ります。
次にフィラリア症に感染していないワンちゃんの血を蚊が吸う際に、フィラリアの幼虫がワンちゃんの体内に入りフィラリア症に感染してしまいます。
感染してしまうと、最大30cmにもなる糸状の寄生虫が肺動脈や心臓に寄生します。
一度感染してしまうとフィラリアがどんどん増えていくのがこの病気の恐ろしいところです。
多数寄生することで血液の流れが妨げられて様々な障害が発生し、放置すると死に至る場合もあります。

ワンちゃんの症状
感染初期はフィラリアの寄生があっても症状がみられない場合もありますが
主な症状としては咳が出たり、元気がなくなったり、食欲がなくなったりします。
進行すると、お腹がふくらんだり、呼吸が苦しそうになったり、血尿が出たりし、最終的には亡くなってしまいます。

ワンちゃんの治療法
治療法はいくつかあるのですが、どれもワンちゃんにとって危険で負担が大きい為、フィラリア症にかからないよう予防することが大切です。
例えば、薬剤を使用して成虫を駆除する治療法は、血管に成虫が詰まってしまってショック症状を起こし亡くなってしまうことがあります。
外科手術は、麻酔をかけ首から成虫を取り出していくのですが、フィラリア症により心臓が弱っている為、麻酔をかけた時点でワンちゃんが亡くなってしまうことがあります。
その為当院では対象療法として、予防薬で幼虫を駆虫し続け体内にいる成虫の寿命を待つ治療法を行っています。
しかし、成虫の寿命は7年程と言われており、その期間ワンちゃんの心臓に負担がかかり亡くなってしまう可能性があります。
どの方法も危険な上に100%治るというものではありません。
ですから、最も大切なのは、フィラリア症に感染させない、しっかりと予防するということです。

ワンちゃんの予防法
予防法には、毎月一回だいたい同じ日に投薬をするか、年に一回の注射をする方法があります。
一か月前に感染した幼虫を月に一度の投薬で駆虫します。この辺りの地域では11月頃まで蚊が生息する為12月まで予防して頂くことが大切です。
フィラリアの予防のお薬はフィラリアだけでなく、ノミやマダニ、消化管内部寄生虫も予防できるタイプもある為、当院では通年予防を勧めています。
予防薬はおやつタイプ、背中に垂らすタイプや注射等、種類があります。
ワンちゃんに合わせたお薬を選んで、しっかりと予防してワンちゃんをフィラリア症や寄生虫から守ってあげてください。

次にネコちゃんのフィラリア症についてお話します。

ネコちゃんのフィラリア症とは?
ネコちゃんのフィラリア症も蚊が運んでくる病気になります。
蚊がフィラリア症に感染しているワンちゃんの血液を吸血する際にフィラリアの幼虫を吸い込み、その蚊がネコちゃんを吸血することで感染します。

ネコちゃんの体内に入ったフィラリアの幼虫のほとんどは、成虫にはなれずに幼虫のまま血管内で死滅します。
この幼虫の死骸に対する免疫作用や幼虫が血管内に詰まって症状が現れます。
まれに成虫に発育したフィラリア成虫は肺動脈や心臓に寄生します。
わずかな成虫であってもネコちゃんへの負担は大きく重症になります。
ネコちゃんのフィラリア症は、ワンちゃんより重篤な症状や突然死を招くことがあるにも関わらず、他の病気と似ていたり、確定診断が難しいため見逃されがちな病気です。

ネコちゃんの症状
感染してもほとんど症状がでないネコちゃんもいますが
主な症状としては、呼吸が苦しそうだったり、咳をしたり、食欲が無くなったり、体重が減少したりし悪化すると突然死を招きます。
また主な症状としてみられる咳が猫喘息と誤解されることもあります。

ネコちゃんの治療法
残念ながら現在よい治療法は確立されていません。
心臓に寄生した成虫を取り出す外科手術が実施されることもありますが、フィラリアの虫体が消失しても肺の症状は残り、投薬を続けなければなりません。

ネコちゃんの予防法
予防法は毎月一回だいたい同じ日に予防薬を投与することで確実に防げます。
これが最も安全で確実な予防法です。
背中に垂らすタイプのお薬ですので、飲み薬が苦手なネコちゃんも安心です。

ワンちゃんと同じでネコちゃんの予防薬も、一か月前に感染した幼虫を月に一度の投薬で駆虫します。この辺りの地域では11月頃まで蚊が生息する為12月まで予防して頂くことが大切です。
フィラリアの予防のお薬はフィラリアだけでなく、ノミやマダニ、消化管内部寄生虫も予防できるタイプもある為、当院では通年予防を勧めています。

近年では10匹に1匹のネコちゃんがフィラリアの幼虫に感染していたという報告があります。
室内飼いだから大丈夫は大間違いです。
蚊の少ない北海道やマンションの10階での感染報告もあり油断できません。

しっかりと予防してワンちゃんもネコちゃんもフィラリア症から守ってあげて下さい。

看護師 重原

チョコレート中毒について

2020.02.18

<チョコレート中毒とは>
チョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインなどのメチルキサンチンの過剰摂取によって生じる中毒です。
チョコレートの種類によって含まれるメチルキサンチンの量は異なます。

<チョコレート中毒の症状>
摂取後早期(1-2時間)では落ち着きの消失や活動性の亢進が認められ、摂取後2-4時間で嘔吐や下痢といった消化器症状が認められるようになります。
重度の場合は痙攣や筋肉の痙縮が起こり死に至ることもあります。
ほかにも高体温や多尿、頻脈や呼吸数増加が認められることがあります。

<どれぐらい食べたら中毒になるの?>
ミルクチョコで考えると、軽度な異常は体重1kg当たり10g程度を摂取すると認められ、30g摂取すると痙攣などの神経症状を引き起こします。
また犬では体重1kg当たり50-100g、猫では40-75g摂取してしまうと半数は亡くなってしまいます。
つまり体重5kgの犬であれば、50gのミルクチョコレートを食べると異常が出るかもしれないということです。
体重に対するチョコレートの量の問題から小型犬の方が重篤になることが多いです。
またダークチョコやカカオ含有量の高いチョコレートでは、より少ない量で中毒になるので注意が必要です。

<治療>
摂取後2-4時間以内であれば催吐処置による汚染除去を行い、中毒性物質の吸着剤の投与を行います。
チョコレート中毒に有効な解毒薬は存在しないため、対症療法(出ている症状に対する治療)を行い動物を支持してあげることになります。

<最後に>
チョコレート中毒は盗食が原因となることが多いです。
私たちにとってはご褒美でも犬猫には毒になるのでしっかりと管理して大切な家族の安全を守りましょう。

獣医師 三田 良太郎

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